不動産特定共同事業法の一部を改正する法律案(内閣提出第四四号)(参議院送付)の概要
本案は、不動産特定共同事業の活用の一層の推進を図るため、小規模不動産特定共同事業の登録制度の創設、特例事業に係る事業参加者の範囲の拡大、適格特例投資家限定事業の届出制度の創設等の措置を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりである。
一 小規模不動産特定共同事業の創設
1 第二条第四項第一号又は第三号に掲げる不動産特定共同事業のうち、事業参加者が行う出資の価額及び当該出資の合計額が一定規模以下のものを小規模不動産特定共同事業として新たに定義すること。
2 小規模不動産特定共同事業のみを行う者は、主務大臣又は都道府県知事の登録を受けることにより事業を行うことができることとし、その有効期間は五年とすること。
二 電子的方法による取引への対応
1 不動産特定共同事業契約の成立前及び成立時における書面並びに財産管理報告書の交付を電子的方法によることができること。
2 電子取引業務を行う不動産特定共同事業者は、一定の業務管理体制を整備しなければならないこと。
三 特例事業の事業参加者の範囲の拡大
不動産取引の目的となる不動産について、一定金額を超える宅地の造成、建物の建築に関する工事等を伴わない場合に限り、特例投資家以外の投資家も特例事業に参加できること。
四 特例投資家向け事業における約款規制の緩和
1 特例投資家のみを事業参加者とする不動産特定共同事業を行う場合には、約款に基づく不動産特定共同事業契約の締結義務を免除すること。
2 特例投資家のみを事業参加者として事業を行う者については、許可申請に当たって、約款の審査を不要とすること。
五 適格特例投資家限定事業の創設
特例投資家のうち不動産に対する投資に係る専門的知識及び経験を特に有すると認められる者を適格特例投資家として新たに定義し、適格特例投資家のみを事業参加者とする不動産特定共同事業のみを行う者は、届出により事業を行うことができること。
六 施行期日
この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。