建築基準法の一部を改正する法律案(内閣提出第62号)(参議院送付)概要
本案は、より合理的かつ実効性の高い建築基準制度を構築するため、木造建築関連基準の見直し、構造計算適合性判定制度の見直し、容積率制限の合理化、建築物の事故等に対する調査体制の強化等の措置を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりである。
一 建築物における木材利用の促進を図るため、耐火建築物としなければならないこととされている三階建ての学校等の特殊建築物について、一定の防火措置を講じた場合には、主要構造部を準耐火構造等とすることができること。
二 構造計算適合性判定の手続について、建築主が都道府県知事又は指定構造計算適合性判定機関に直接申請することとするとともに、比較的簡易な構造計算について、一定の要件を満たす建築主事等が確認審査を行う場合には、構造計算適合性判定を不要とすること。
三 建築主事又は指定確認検査機関が一定の安全上の基準に適合していることを認めたときは、工事中の建築物を仮使用できることとすること。
四 現行の建築基準が予想しない特殊の構造方法又は建築材料を用いる建築物について、国土交通大臣がこれと同等以上の効力があると認める場合には当該基準を適用しないこと。
五 容積率の算定に当たって、地階の部分の床面積を一定の限度まで延べ面積に算入しない特例を、老人ホーム等についても適用すること。
六 建築物や建築設備等についての定期調査・検査の対象を見直すとともに、定期調査・検査は一定の資格者にさせなければならないこととすること。
七 国土交通大臣による建築物等の調査権限を創設し、国が関係者からの報告徴収や建築物への立入検査等を行うことができることとするとともに、国土交通大臣及び特定行政庁は建築設備等の製造者等に対する調査を実施できること。
八 この法律は、一部の規定を除き、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。