船舶の再資源化解体の適正な実施に関する法律案(内閣提出第五三号)の概要
本案は、二千九年の船舶の安全かつ環境上適正な再資源化のための香港国際条約の締結に伴い、船舶の再資源化解体の適正な実施を図るため、船舶所有者に有害物質一覧表の作成等を義務付けるとともに、再資源化解体に係る許可の制度並びに当該許可を受けた解体業者による再資源化解体計画の作成及びその主務大臣による承認の制度の創設等の措置を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりである。
一 有害物質一覧表の作成と有害物質一覧表確認証書の船内への備置き等
1 船舶所有者は、第二条第四項に規定する船舶を、日本国領海等以外の水域において航行の用に供しようとするとき等は、有害物質一覧表を作成し、国土交通大臣の確認を受けなければならないこと。
2 国土交通大臣は、有害物質一覧表が、当該船舶の状態と一致することを確認したときは、有害物質一覧表確認証書を交付しなければならないこと。
3 第二条第四項に規定する船舶は、有害物質一覧表確認証書の交付を受けなければ、日本国領海等以外の水域において航行の用に供してはならないこととし、船舶所有者は当該船舶内に有害物質一覧表及び有害物質一覧表確認証書を備え置かなければならないこと。
二 再資源化解体の許可
総トン数五百トン以上の船舶(以下「特定船舶」という。)の再資源化解体を行おうとする者は、施設ごとに、主務大臣の許可を受けなければならないこと。
三 特定船舶の再資源化解体の実施
1 特定船舶の船舶所有者は、当該特定船舶の再資源化解体については、二の許可を受けた者(以下「再資源化解体業者」という。)等に行わせなければならないこと。
2 再資源化解体業者は、特定船舶の再資源化解体のための譲受け等をしようとするときは、当該特定船舶の再資源化解体計画を作成し、主務大臣の承認を受けなければならないこと。
3 2の承認があったとき、船舶所有者は、再資源化解体業者に再資源化解体計画の提出を求め、同計画に係る船舶の再資源化解体のための譲渡し等について国土交通大臣の承認を受けなければならないこと。
4 国土交通大臣は、3の承認をしたときは、再資源化解体準備証書を交付しなければならないこと。
5 特定船舶である日本船舶は、再資源化解体準備証書の交付を受けなければ、再資源化解体のための譲渡し等をしてはならないこと。
四 施行期日
この法律は、一部の規定を除き、二千九年の船舶の安全かつ環境上適正な再資源化のための香港国際条約が日本国について効力を生ずる日から施行すること。