水防法等の一部を改正する法律案(内閣提出第18号)の概要
本案は、多発する浸水被害に対処するとともに、下水道管理をより適切なものとするため、浸水想定区域制度の拡充、雨水貯留施設の管理協定制度の創設、下水道施設の適切な維持管理の推進、日本下水道事業団による下水道管理者の権限代行制度の創設等の措置を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりである。
一 水防法の一部改正
1 目的に雨水出水(以下「内水」という。)を追加するとともに、都道府県知事等は、内水及び高潮に係る水位情報を水防管理者等に通知等しなければならないこと。
2 洪水浸水想定区域の前提となる降雨を、想定し得る最大規模の降雨に変更するとともに、都道府県知事等は、新たに内水及び高潮に係る浸水想定区域を指定すること。
二 下水道法の一部改正
1 下水道による汚水処理を行わないこととした地域において、雨水のみを排除するための下水道を雨水公共下水道として整備することができること。
2 公共下水道又は流域下水道の維持又は修繕に関する技術上の基準は政令で定めること。また、事業計画に定めるべき事項に排水施設の点検方法及び頻度を追加し、これらが当該技術上の基準に適合していなければならないこと。
3 公共下水道管理者は、浸水被害の防止を図るため、浸水被害対策区域内に存する雨水貯留施設について、当該施設の所有者等との間の管理協定に基づき管理できること。
4 公共下水道の排水施設の暗渠部分等に、民間事業者等が熱交換器等を設置することができること。
5 二以上の公共下水道管理者等は、下水道の管理の効率化に関し必要な協議を行うための協議会を組織することができることとするとともに、協議会の構成員は協議結果を尊重しなければならないこと。
三 日本下水道事業団法の一部改正
日本下水道事業団は、地方公共団体の委託に基づき、高度の技術を要する管渠の建設及び維持管理等を行うことができるとともに、地方公共団体から要請があり、かつ、当該地方公共団体における実施体制等を勘案して適当であると認められる場合は、当該地方公共団体の下水道工事を代行できること。
四 施行期日
この法律は、一部の規定を除き、公布の日から起算して2月を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。