(内閣委員会)
ストーカー行為等の規制等に関する法律の一部を改正する法律案(参議院提出、参法第五一号)の概要
本案は、最近におけるストーカー行為等の実情に鑑み、住居等の付近をみだりにうろつく行為及び電子メールに類するその他の電気通信の送信等をすることを規制の対象に加えるとともに、禁止命令等について、警告を経なくてもこれをすることができるようにすること、緊急の必要がある場合における手続を整備すること等の措置を講ずるもので、その主な内容は次のとおりである。
一 住居等の付近をみだりにうろつく行為並びに電子メール以外のその受信をする者を特定して情報を伝達するために用いられる電気通信の送信を行うこと及び特定の個人がその入力する情報を電気通信を利用して第三者に閲覧させることに付随して、その第三者が当該個人に対し情報を伝達することができる機能が提供されるものの当該機能を利用する行為を「つきまとい等」に追加して、規制の対象とすること。
二 禁止命令等の制度の見直し
1 都道府県公安委員会は、つきまとい等をして不安を覚えさせることを禁止する規定に違反する行為があった場合において、当該行為をした者が更に反復して当該行為をするおそれがあると認めるときは、警告を経なくても、その相手方の申出により、又は職権で、禁止命令等をすることができることとすること。
2 都道府県公安委員会は、つきまとい等をして不安を覚えさせることを禁止する規定に違反する行為があった場合において、当該行為をした者が更に反復して当該行為をするおそれがあると認めるときであって、当該行為の相手方の身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害されることを防止するために緊急の必要があると認めるときは、聴聞又は弁明の機会の付与を行わないで、当該相手方の申出により、禁止命令等をすることができることとすること。この場合において、当該禁止命令等をした都道府県公安委員会は、意見の聴取を、当該禁止命令等をした日から起算して十五日以内に行わなければならないこととすること。
3 禁止命令等に有効期間を設け、一年ごとの更新制にすること。
三 罰則の見直し
1 ストーカー行為をした者に対する刑事罰について、懲役刑及び罰金刑の上限を引き上げるとともに、告訴がなくても公訴を提起することができることとすること。
2 禁止命令等に違反してストーカー行為をした者等に対する刑事罰について、懲役刑及び罰金刑の上限を引き上げること。
四 この法律は、一部を除き、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行すること。