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   商業捕鯨の実施等のための鯨類科学調査の実施に関する法律案(参議院提出、参法第一〇六号)概要

 本案は、最近における捕鯨をめぐる国際的な状況を踏まえ、商業捕鯨の実施等のための鯨類科学調査を安定的かつ継続的に実施するために必要な事項等を定めるものであり、その主な内容は次のとおりである。

一 基本原則

  鯨類科学調査は、次に掲げる全てに適合し、かつ、原則として鯨類の捕獲を伴って実施されるものとすること。

 1 主として商業捕鯨の実施のための科学的知見を得ることを目指して実施されること。

 2 我が国が締結した条約その他の国際約束等に基づき、かつ、科学的知見を踏まえて実施されること。

 3 調査結果については十分な分析・研究が行われ、得られた研究成果は広く公表されること。

 4 必要に応じて国内外の鯨類に関する調査研究機関と連携を図りながら実施されること。

二 国の責務

  国は、一の基本原則にのっとり、鯨類科学調査を安定的かつ継続的に実施するための施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有するものとすること。

三 基本方針及び鯨類科学調査計画

 1 政府は、基本原則にのっとり、鯨類科学調査の意義、収集する科学的情報に関する目標のほか、実施体制、妨害行為への対応、得られた科学的知見の国内外における普及・活用、捕獲した鯨類の調査終了後における利用等に関する基本的事項を内容とする基本方針を定めなければならないものとすること。

 2 農林水産大臣は、基本方針に即して、実施が必要と認められる鯨類科学調査ごとに、目的、実施海域、期間、方法等の事項を内容とする鯨類科学調査計画を策定するものとすること。

四 鯨類科学調査の実施体制の整備等

  政府は、調査実施主体に対し、鯨類科学調査の実施に要する費用の一部を補助するとともに、調査研究を行う人材の養成・確保、船舶・乗組員の確保その他鯨類科学調査の実施体制の整備に必要な措置を講ずるものとすること。

五 妨害行為への対応等のための施策

  政府は、調査実施主体の妨害対策への支援、政府職員・船舶の派遣、関係行政機関による情報共有、外交上の適切な措置及び妨害行為のおそれのある外国人の入国管理に必要な措置を講ずるものとすること。

六 施行期日

  この法律は、公布の日から施行すること。

 

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