内水面漁業の振興に関する法律案(農林水産委員長提出、衆法第三七号)概要
本案は、内水面漁業の振興に関する施策を総合的に推進し、もって内水面における漁業生産力を発展させ、あわせて国民生活の安定向上及び自然環境の保全に寄与することを目的とするもので、その主な内容は次のとおりである。
一 基本理念
内水面漁業の振興に関する施策は、内水面漁業の有する水産物の供給の機能及び多面的機能が適切かつ十分に発揮され、将来にわたって国民がその恵沢を享受することができるようにすることを旨として、講ぜられなければならないことを基本理念とすること。
二 基本方針及び都道府県計画
1 農林水産大臣は、あらかじめ、国土交通大臣及び環境大臣に協議し、それらの同意を得るとともに、水産政策審議会の意見を聴いた上で、内水面漁業の振興に関する基本的方向等を内容とする基本方針を定めるものとすること。
2 都道府県は、基本方針に即し、内水面水産資源の回復に関する施策及び内水面における漁場環境の再生に関する施策の実施に関する計画を定めるよう努めるものとすること。
三 国及び地方公共団体の施策
国及び地方公共団体は、内水面水産資源の生息状況等の調査を行うよう努めるものとするとともに、内水面水産資源の回復、内水面における漁場環境の再生、内水面漁業の健全な発展に関する施策を講ずるよう努めるものとすること。
四 指定養殖業の許可及び届出養殖業の届出
指定養殖業についての許可制度及び届出養殖業についての届出制度を創設し、指定養殖業者及び届出養殖業者は、その養殖業に係る実績報告書を農林水産大臣に提出しなければならないものとすること。
五 協議会
都道府県は、内水面の共同漁業権者の申出に基づき、必要と認めるときは、都道府県、共同漁業権者、河川管理者、学識経験者等で構成する協議会を設置することができるものとすること。
六 施行期日等
1 この法律は、一部を除き、公布の日から施行すること。
2 政府は、この法律の施行後速やかに、内水面に排出又は放流される水に係る規制の在り方について、内水面における漁場環境の再生等の観点から検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づき所要の措置を講ずるものとすること。