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   災害救助法の一部を改正する法律案(内閣提出第六五号)の概要

 本案は、東日本大震災、平成二十八年熊本地震を教訓に、今後の災害に備えるため、内閣総理大臣の指定する救助実施市の長による救助の実施に係る制度を創設することにより、災害救助の円滑かつ迅速な実施を図ろうとするもので、その主な内容は次のとおりである。

一 救助実施市の長による救助の実施

1 防災体制、財政状況その他の事情を勘案し、災害に際し円滑かつ迅速に救助を行うことができるものとして内閣総理大臣が指定する救助実施市の長が、その市の区域内において一定程度の災害により被害を受け、現に救助を必要とする者に対する救助を行うこと。

2 内閣総理大臣による指定は、内閣府令で定めるところにより、救助を行おうとする市の申請により行うこととし、内閣総理大臣は、当該指定をしようとするときは、あらかじめ、指定をしようとする市を包括する都道府県の知事の意見を聴かなければならないこと。

二 都道府県知事による連絡調整

都道府県知事は、救助実施市の区域及び救助実施市以外の市町村の区域にわたり発生した一定程度の災害に際し、救助において必要となる物資の供給又は役務の提供が適正かつ円滑に行われるよう、救助実施市の長及び物資の生産等を業とする者その他の関係者との連絡調整を行うこと。

三 救助に要した費用の支弁区分

救助実施市の長による救助に要する費用は、救助実施市が支弁すること。

四 国庫負担

国庫は、救助実施市が支弁した費用等の合計額が一定の額以上となる場合において、その一部を負担すること。

五 災害救助基金

1 救助実施市は、費用の支弁の財源に充てるため、災害救助基金を積み立てておかなければならないこと。

2 災害救助基金の各年度における最少額は、都道府県又は救助実施市の区分に応じて定める額とし、災害救助基金が最少額に達していない場合は、一定の金額を積み立てなければならないこと。

3 災害救助基金が最少額を超えて積み立てられている都道府県又は救助実施市は、当該最少額を超える部分の金額の範囲内において、災害救助基金を取り崩すことができること。

六 施行期日

この法律は、平成三十一年四月一日から施行すること。

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