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   公益通報者保護法の一部を改正する法律案(内閣提出第四一号)概要

 本案は、公益のために勤務先の不正を通報した労働者の保護や事業者自らの不正の是正等のために制定された公益通報者保護法の施行後においても、消費者の安全・安心を損なう事業者の不祥事が後を絶たず、国民の生命、身体、財産その他の利益の保護に関わる法令に違反する事実が発生している状況等に鑑み、これらの法令の遵守を図るため、所要の措置を講じようとするものであり、その主な内容は次のとおりである。

一 公益通報者の範囲及び通報対象事実の範囲の拡大

 1 公益通報者(保護の対象となる通報者)の範囲について、現行(労働者)に加え、退職者(ただし、退職後一年以内に通報した者)及び役員を追加すること。

 2 通報対象事実(保護の対象となる通報)の範囲について、現行(刑罰により実効性を担保している法令違反行為)に加え、過料により実効性を担保している法令違反行為を追加すること。

二 権限を有する行政機関への公益通報に関する保護要件の緩和

  権限を有する行政機関への公益通報に関する保護要件について、現行(通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしていると信ずるに足りる相当の理由がある場合)に加え、通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしていると思料し、かつ、氏名等の事項を記載した書面を提出する場合を追加すること。

三 内部通報体制の整備義務等の新設

 1 事業者は、公益通報対応業務従事者(公益通報の受付、通報対象事実の調査、当該事実の是正に必要な措置をとる業務に従事する者)を定めるほか、公益通報に適切に対応するために必要な体制の整備その他の必要な措置をとらなければならないこと(常時使用する労働者が三百人以下の事業者は努力義務)。

 2 内閣総理大臣は、1の措置に関し、事業者に対して報告を求め、又は助言、指導若しくは勧告をすることができることとし、事業者が勧告に従わなかった場合には、その旨を公表することができること。

四 公益通報対応業務従事者に対する守秘義務の新設

  公益通報対応業務従事者は、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た事項であって公益通報者を特定させるものを漏らしてはならないこととし、違反した者は、三十万円以下の罰金に処すること。

五 行政機関の外部通報対応体制の整備義務の新設

  通報対象事実について、処分又は勧告等をする権限を有する行政機関は、公益通報に適切に対応するために必要な体制の整備その他の必要な措置をとらなければならないこと。

六 施行期日

  この法律は、一部の規定を除き、公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。

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