保険業法等の一部を改正する法律案(内閣提出第六号)概要
本案は、保険会社における経営基盤の強化及び経営効率の向上を図り、保険契約者等の保護を的確に行うため、子会社の業務範囲、保険契約の移転等に関する規制の緩和、生命保険契約者保護機構に対する政府補助の措置の期限延長等を行うもので、その主な内容は次のとおりである。
一 子会社に関する業務範囲規制の特例
子会社対象会社以外の会社を子会社としている保険業を行う外国の会社を保険会社が子会社とする場合には、子会社業務範囲規制を適用しないこと。ただし、当該保険会社は、原則として当該会社が子会社となった日から五年を経過する日までに当該会社が子会社でなくなるよう、所要の措置を講じなければならないこと。
二 保険契約の移転に関する規制の見直し
1 保険契約の移転は、責任準備金の算出の基礎が同一である保険契約の全部を包括してしなければならないとの規制を撤廃すること。
2 保険契約の移転手続中は、移転対象となる契約と同種の保険契約を締結してはならないとの規制を撤廃すること。
三 保険募集の再委託制度の導入
保険募集の再委託について、一定の要件に該当する場合において、当該再委託をする者及びその所属保険会社等が、あらかじめ、再委託に係る事項の定めを含む委託に係る契約の締結について、内閣総理大臣の認可を受けて、行うことができること。
四 生命保険契約者保護機構に対する政府補助の期限の延長
平成二十四年三月三十一日までに破綻した場合の生命保険契約者保護機構が行う資金援助等に関する政府補助の特例措置を平成二十九年三月三十一日まで五年間延長すること。
五 少額短期保険業者に関する経過措置の延長
少額短期保険業者が引受け可能な保険金額に関する特例について、保険契約の締結の時点及び保険の種類に応じて政令で定めることとした上で、その期間を五年間延長すること。
六 施行期日
この法律は、別段の定めがあるものを除き、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。