保険業法等の一部を改正する法律案(内閣提出第六八号)概要
本案は、保険募集の形態の多様化が進展している状況等を踏まえ、保険募集に係る規制をその実態に即したものとするため、保険募集人の体制整備義務を創設する等の措置を講ずるもので、その主な内容は次のとおりである。
一 保険の信頼性確保
1 保険募集の基本的ルールの創設
㈠ 保険会社又は保険募集人等は、保険契約者等の保護に欠けるおそれがない場合を除き、保険契約の締結等に関し保険契約者等の保護に資するため、保険契約の内容その他保険契約者等に参考となるべき情報の提供を行わなければならないこと。
㈡ 保険会社又は保険募集人等は、保険契約者等の保護に欠けるおそれがない場合を除き、顧客の意向を把握し、これに沿った保険契約の締結等の提案等を行わなければならないこと。
2 保険募集人に対する規制の整備
保険募集人等は、重要事項説明、顧客情報の適正な取扱い、委託先管理を含めた業務の適切な運営を確保するための体制整備を講じなければならないこと。
二 保険市場の活性化
1 海外展開に係る規制緩和
子会社に関する業務範囲規制を適用しない場合として、子会社対象会社以外の外国の会社を子会社としている外国の銀行等を保険会社が子会社とする場合を加えること。
2 保険仲立人に係る規制緩和
保険仲立人等が、保険期間が長期にわたる保険契約の締結の媒介を行おうとする場合に必要な内閣総理大臣の認可を不要とすること。
3 実態に合った顧客対応を可能とするための規制緩和
㈠ 保険契約の移転を行う場合であって、移転対象契約者等の保護に欠けるおそれがないときには、保険契約の移転に係る通知をすることを要しないこと。
㈡ 保険会社は、運用実績連動型保険契約に基づいて運用する財産について作成する運用報告書について、書面による交付に代えて電子情報処理組織を使用する方法等により提供することができること。
三 施行期日
この法律は、別段の定めがあるものを除き、公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。