（財務金融調査室）

　　　租税特別措置法等の一部を改正する法律案（内閣提出第八号）概要

　本案は、国税に関し、新成長戦略の実現並びに税制の公平性の確保及び課税の適正化の観点から要請される特に喫緊の課題に対応するため、個人所得課税、法人課税、資産課税、消費課税、国際課税等について所要の措置を講ずるもので、その主な内容は次のとおりである。

一　個人所得課税について、認定低炭素住宅の新築等に係る住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除制度の創設、給与所得控除の上限設定、勤続年数五年以内の法人役員等の退職所得課税の見直し等を行うこと。

二　法人課税について、環境関連投資促進税制の太陽光発電設備及び風力発電設備に係る即時償却制度の創設、中小企業投資促進税制の拡充等を行うこと。

三　資産課税について、直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置の拡充・延長等を行うこと。

四　消費課税について、自動車重量税に係る税率の見直し及び環境性能に優れた自動車に対する軽減措置の拡充・延長、地球温暖化対策のための課税の特例の創設等を行うこと。

五　国際課税について、国税に係る徴収及び送達の共助に係る国内法の整備、国外財産調書制度の創設等を行うこと。

六　試験研究費に係る税額控除制度における試験研究費が増加した場合の特例の適用期限を延長するなど、適用期限の到来する特別措置の延長、既存の特別措置の整理合理化等の措置を講ずること。

七　この法律は、別段の定めがあるものを除き、平成二十四年四月一日から施行すること。