衆議院

メインへスキップ



地方税財政基盤の早期確立及び東日本大震災への対応に関する件

 

 現下の厳しい経済環境の下において地方の疲弊が極めて深刻であり、デフレから早急に脱却し、日本経済の再生を図るためにも地方の経済財政基盤の再構築が急務であることに鑑み、政府は次の諸点について措置すべきである。

 

一 地方交付税については、本来の役割である財源調整機能と財源保障機能が十分発揮できるよう、引き続き、地方税等と併せ地方公共団体の安定的な財政運営に必要な総額の充実確保を図るとともに、法定率の引上げを含めた抜本的な見直しを検討し、特例措置に依存しない持続可能な制度の確立を目指すこと。

 

二 地方税については、地方財政の自主性・自立性を確立するとともに、今後見込まれる地方の社会保障給付の費用の増加などに適切に対応できる、税源の偏在度が小さく、安定的で充実した財源の確保を可能とする地方税制の構築を図ること。また、地方税収の減収が生ずる地方税制の見直しを行う場合には、適切な財源補塡措置を講ずるとともに、税負担軽減措置等の創設や拡充に当たっては、真に地域経済や住民生活に寄与するものに限られるよう、慎重な対処を行うこと。

 

三 巨額の借入金に係る元利償還が地方公共団体の財政運営を圧迫し、諸施策の実施を制約しかねない状況にあることに鑑み、計画的に地方財政の健全化を進めるとともに、臨時財政対策債をはじめ、累積する地方債の元利償還については、将来において地方公共団体の財政運営に支障が生ずることのないよう、万全の財源措置を講ずること。

 

四 地方財政計画において、本年七月から地方公務員の給与について国家公務員の臨時特例的な給与減額支給措置に準じた措置がとられることを前提とした歳出額の計上が行われていることに関しては、地方公務員の給与は各地方公共団体が地方公務員法の規定に基づき自ら決定するものであることを基本として対処すること。また、地方公務員の給与制度及びその運用については、地方の意見を十分反映させるよう努めること。

 

五 地方債制度及びその運用については、平成二十四年度から導入された民間資金に係る地方債届出制度の運用状況を踏まえ、財政基盤が脆弱な市町村に対しては、地方公共団体金融機構の機動的な活用を含め、公的資金の確保と適切な配分に最大限の配慮を行うなど、地方債の円滑な発行と流通、保有の安全性の確保を図ること。

 

六 地方公共団体金融機構の公庫債権金利変動準備金の今後の活用については、活用額が当初想定していた額に達していること及び金融政策の変更に伴う長期金利の変動も想定されることを踏まえ、十分慎重に判断するとともに、これを行う場合も、機構の財産が地方公共団体の寄与により形成されたという経緯を踏まえ、機構及び地方公共団体の意見を尊重して行うこと。

 

七 東日本大震災に係る復旧・復興対策については、被災団体の意向を十分に踏まえ、国、地方の連携の下、機動的・弾力的な対応が図られるよう、引き続き、万全を期すこと。特に、震災復興特別交付税については、復旧・復興事業の実施等に伴う財政需要の動向に応じ所要額の確実な確保を図るとともに、適時適切な交付に努めること。

 

 右決議する。

 

衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.