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昭和二十五年三月二日提出
質問第六五号

 陸運行政の民主化の徹底に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和二十五年三月二日

提出者  滿尾君亮

          衆議院議長 (注)原喜重(注) 殿




陸運行政の民主化の徹底に関する質問主意書


 わが国陸運行政の民主化を更に徹底せしめる目的をもつて、左の諸点について政府の有権的見解を質問する。

一 終戰後各地域において、トラツク事業の新規免許申請が却下され、戰時中の少数業者による事実上の独占状態が今なお、継続している事実を政府は認識しているか。
二 政府は、現在トラツク事業が比較的営業不振の状態にある理由をもつて、今後ともに右状態の継続することを希望しているのであるか。
三 政府は、トラツク事業が免許制なる故をもつて、同事業に限り企業経営上のリスクを経営者に負担せしめない意思であるか。 四 元来陸運における免許事業にはその免許の本質に若干の段階があり、区域営業を営むトラツク事業はバス事業等と異り、免許制を採用する理論上の根拠が極めて蒲弱なものである。若し政府が單に免許事業の故をもつて、トラツク事業に経営上のリスクを負担せしめないとするならば、一部業者の過多な保護に墮して国民経済の発達を著しく阻害すると思うが如何。
五 トラツク事業が比較的営業不振であるという事実は、その不振の程度とともにこれを実証的に立証し得るか。
六 前項のトラツク事業の営業不振は、一面において当事者の経営能力の反映であるという重大な條件を無視して、今後も新規免許を抑制する意思であるか。
七 終戰後今日に至るまで、政府はトラツク事業の業態改善のために個々の会社に対して具体的施策をしたことがあるか。
八 政府は、トラツク事業においても、当然ある程度の経営上のリスクを負担せしむべきものであるとの見解をとるならば、当該事業経営上の目前若干の不況いかんにかかわらず、新規免許を適当に導入して公正な競争体制を布くべきでないか如何。
九 政府において、トラツク事業の合理化について積極的施策を実施せず、当該事業の現状をあるがままに正当化してこれが弱体化を憂えるのあまり、新規の免許申請を不当競争誘発の恐れありとして抑制することは、現在の事業者の特権のいたづらな温存に終り、免許制度に関する権利の濫用ともいうべきものと考える。かくては国民の各職業に対する機会均等の原則を破ることとなるが故に、トラツク事業の免許制度はこれを廃止すべきものと考えるが、如何。
十 終戰後わが国の経済体制は、各方面ともに革命的変ぼうをとげた中に、戰後すでに五年経過した今日において、ひとりトラツク事業においてのみ、戰時中の独占体制がなお温存されている事実は、たとえ個々の新規免許申請において形式的に適法な手続をふんで処理せられているとしても余りに現状維持的であり、非民主的である。
  よつて、陸運行政の大局をは握する見地から、主務大臣は真に公正明煬虫タな業界を建設するために、この際善処する意思はないかどうか。

 右質問する。





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