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昭和二十五年七月二十七日提出
質問第六一号

 日本の中立に対する吉田首相の見解に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和二十五年七月二十七日

提出者  (注)田甚太(注)

          衆議院議長 (注)原喜重(注) 殿




日本の中立に対する吉田首相の見解に関する質問主意書


 リーダーズ・ダイジエスト誌日本語版六月号によると、同誌極東総支配人、マツキウオイ氏のマツカーサー元帥との会見記に次の如きマツカーサー元帥の言葉が引用されている。「日本は“極東のスイス”となり、スイスが中立であると同じ理由で中立であるべきだ。日本はどちらの側についても滅ぼされてしまうに決つている。」しかるに吉田首相は、七月十四日の施政方針演説で「永世中立などという議論があるが、たとえ真の愛国者から出たものであつても、これは全く現実から遊離した言論であるのみならず、自らを共産党の謀略に陷れようとする危險千万な思想である。この際中立などと御念仏を唱える者は早期講和を害するのみならず、世界の誤解を招くことになる。」(七月十一日吉田首相と記者団との会見)といつているが、吉田首相は同誌のマツカーサー元帥の見解を読んだのか。又読んだ人から聞いたか。又マツカーサー元帥と吉田首相との意見に大変な相違があるように思うが、この点に関しどう考えるか。
 極東のスイスたるためには全面講和の締結が必要であり、又マツカーサー元帥は「連合国は、日本を同盟国として使用し、いずれかの国に対抗させる意図で日本を軍事的に再建する意向はない。」「連合国は、日本が中立を維持することを希望し第三国が日本を連合国の敵として利用することを欲しない。」といつている。とすれば、永世中立以外に日本の平和を維持する方法はないではないか。吉田首相よりすれば、マツカーサー元帥のこのいい分もまた危險なのか。それとも吉田首相は、マツカーサー元帥から別の指導を特別に受けているのか。あるいは吉田首相が失言したのか。失言とすれば、その責任の所在はどこにあるのかこれらの点を明らかにされたい。

 右質問する。





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