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昭和二十六年三月二十日提出
質問第七三号

 食糧対策等に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和二十六年三月二十日

提出者  足鹿 覺

          衆議院議長 林 讓治 殿




食糧対策等に関する質問主意書


一 今日の緊迫せる国際情勢は、本年一年のみの短期のものでなく相当長期にわたる可能性がつよく、従つて食糧輸入事情は惡化こそすれ、好転するとは考えられないという想定のもとに食糧対策を樹立すべきではないか。政府の見解如何。
 特に輸入食糧の見透しについては
 (イ)貿易の関係を通じての食糧輸入資金との関係。
 (ロ)外国食糧価格の動向との関係。
 (ハ)船腹の関係。
 (ニ)海外主要食糧供給国の供給力及び国内食糧の供給力の関係。
 (ホ)世界的政情不安のもとにおける各国との食糧買付競合との関係。
 (ヘ)その他
 等の関係を数字的にも明瞭にされたい。
二 現在の如き世界的政情不安の情勢下においては、政府の現在意図する一定価格による市場への無制限売渡し、一定価格による国内麦類の無制限買入のいわゆる価格操作は
 (イ)食糧輸入の見透しの困難化。
 (ロ)国内におけるインフレーシヨンの進行。
 (ハ)麦類加工業の操業度に現在相当の余裕のあること。
 等の要因を契機として国内産麦類に対する業者の思惑買によつて結局その効果は潰滅するおそれはないか。
  もし価格操作により思惑買を防止できない場合、政府はいかなる対策を用意しているのか、明かにされたい。
三 政府の市場統制力が圧倒されると、米価と麦価との価格のアンバランスを通じ、あるいは主食用とその他の用途との競合関係による価格の高騰等を通じて、政府の国内麦の入手はきわめて困難となり、ひいては米の供出強化を結果するのではないか、あるいは近い機会に再び麦類の再統制を行つて麦価の騰貴を抑制することとなるのではないか、政府の見解如何。
四 政府は、麦類の統制撤廃に関連して食糧管理法の改正を意図し「情勢により強制買入れを行う」旨を附記する方針であるが、この情勢とは具体的にはいかなる情勢を意味しているのか。
  又かかる情勢は二十六年産麦類については絶対に発生しないという自信があるのか、明かにされたい。
五 現在の配給基準量は、米麦で二合七勺となつており、米の不作は麦で、麦の不作は米で、それぞれカバーする機能を有しているが、これを麦をはずして米のみの配給基準量(含農家保有量)とする場合、一旦米の凶作に遭遇したときはいかなる対策をもつてこれにのぞむ用意があるのか、麦の收穫は一年一度であつて途中で統制にはいることはきわめて困難であり、その際米作農家のみの過重負担とならない何らかの対策の用意があるのか、明かにされたい。
六 麦類の統制撤廃に際し、政府買入価格につき麦類の対米価比を再検討するといつているが、それはいかなる見地から再検討するのか。
  又それは現行対米価比(小麦、裸麦は八一・三、大麦七〇)を下回らないという意味であるか、どうかを明かにされたい。
七 麦類の価格が騰貴した際は、麦価との関連で米価を是正する用意があるのか、その際消費者価格との調整について二重価格制度採用の用意があるのか、明かにされたい。
八 麦類の価格が業者の思惑によつて騰貴する場合は、農民の手取価格はそれだけふえないと思われるが、政府の所見如何。

 右質問する。





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