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昭和二十七年十一月十三日提出
質問第五号

 癩予防と治療に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和二十七年十一月十三日

提出者  長谷川 保

          衆議院議長 大野(注)睦 殿




癩予防と治療に関する質問主意書


 現行癩予防法は、その精神において人権を無視したきわめて非民主的なものと考えられ、且つ、現下の癩行政に適合しない法律として、多くの疑義があるので、次の項目について質問する。

一 癩予防法は、憲法に抵触し、患者の人権を無視した箇所もあり、行使できないと思うが、いかになつているか。
二 現行法により患者を強制収容できるか、又、現在強制収容を行つているか。
三 施設長に与えられている患者懲戒検束権は行使できるか、又どの程度行使しているか。
四 係官により患者及び患者の家族の身分等について、秘密が漏えいされた事例が多いときくが、主務省はこれに対していかなる措置をなしているか、又、秘密を漏えいした係官に対し、罰則を適用した件数はいかほどあるか。
五 患者入所後の生活困窮家族に対する救護は、完全に行われているか。
六 患者の家族が生活保護法による救護の申請をする場合、現行法では秘密保持は十分できないときくが、この点いかに取り扱つているか。
七 患家の検診をなしているときくが、これにより患家の秘密が保持されるか、又、これに類した弊害はないか。
八 患者の秘密を守つて収容を行う方法として、患者を発見した医師が直接施設長に届け出で、入所勧誘、収容、輸送等一切を施設側にて行わしめる方法について、主務省はいかに考えるか。
九 患者の家族の生活援護をなす場合、癩の施設長に民生委員のような権限を与え、施設長と被援護者を直結して行えば、秘密の漏えいも防止でき、患者の収容も行いやすいと思うがどうか。
一〇 癩予防法には、行政官庁が患者を療養所に入所せしめる義務についての規定があつて、自然的治ゆ及び医療によつて治ゆした患者の退所についての規定がないが、いかなる理由に基くものであるか。
一一 癩の伝染力について種々の学説をきくが、主務省のおいてはいかなる見解をもつているか。
一二 新憲法制定により、癩予防法も当然改正すべきであると考えられるが、未だに改正されなかつたのはいかなる理由に因るものであるか。
一三 政府は、癩予防法を改正する用意があるか、もし用意があるとすれば、国会提案の時期はいつごろの予定か。
一四 もし、癩予防法を改正する場合、主務省は療養所長の意見及び患者の要望を事前にきく意志があるか。
一五 政府は、癩の科学的論拠に基く予防知識の国民啓もうの対策があるか。

 右質問する。





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