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昭和三十二年五月十七日提出
質問第六号

 公職選挙に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和三十二年五月十七日

提出者  井堀(注)雄

          衆議院議長 (注)谷秀次 殿




公職選挙に関する質問主意書


第一 選挙関係諸法令に関する左の各事項について政府の所見を伺いたい。

1 公職選挙法における条章を理解しやすいよう共通部分を除き各選挙ごとに体系的に改めること。
2 公職選挙法の改正は、選挙の直前しかもその選挙の種類ごとに改正されている傾向にあるが、選挙に関する基本法であるこの選挙法に権威あらしめるため、ただ単にその選挙の種類ごとに改正するがごときことのないよう今後全般的に相当考慮すべきである。
3 知事、都道府県議会議員の選挙権の要件たる住所要件は、同一都道府県内に三箇月の住所を有すればたりることとする。
4 衆議院議員の定数の更正は、国勢調査の結果によつて更正するを例とするよう規定されているが、なぜにすみやかにこれが更正を行わないか。
5 基本選挙人名簿に登録せられた者が、調製期日後において同一市町村内の他の投票区に住所を移した場合においても、補充選挙人名簿に登録申請ができるようにすること。
6 基本名簿調製期日を十月一日、調製期限十一月三十日、確定期日を十二月三十日とし、一般選挙人に解りやすいようにすること。
7 基本選挙人名簿の調製は、住民登録により調製できるようにすること。
8 選挙人名簿は選挙人の申請による永久制(あるいは十年程度すえ置く。)にすること。
9 投票所、開票所及び選挙会場の監視について明確な規定を置くこと。
10 不在者投票事由中、法第四十九条第一号、第二号の「投票区のある郡市の区域外」とあるを「市町村の区域外」とすること。
11 不在投票の事由を拡大し、あわせてその手続を簡素化すること。
12 記号式投票を実施可能な選挙について採用すること。
13 公職の候補者を推薦届出する場合の推薦届出人の制限をすること。
14 被選挙権のない者に対する立候補禁止の措置を講ずること。
15 被選挙権のない者は当選人に定めることができないものとすること。
16 選挙事務所の閉鎖命令について、公職選挙法第百三十二条(選挙当日の選挙事務所の制限)の規定に違反した場合は、いずれの選挙においても市町村の選挙管理委員会ができるようにすること。
17 町村長の選挙についても自動車一台又は船舶一隻の使用を認めること。
18 乗車用腕章を廃止し、街頭演説用腕章着用者の乗車を認めること。
19 選挙事務所を表示するために使用できるものは、ボスター、立札及び看板とし、数を制限すること。
20 選挙運動用ポスターの用紙の公給の制度を廃止すること。
21 立会演説会開催単位の人口基準を改めること。
22 立会演説会場施設は、その当日、投票所施設はその前日は個人演説会場として使用を禁止する規定を設けること。
23 特殊乗船券の制度を採用すること。
24 参議院地方区及び知事選挙の場合において地域広大な選挙区における選挙運動の規制についての特例を認めること。
25 政治活動と選挙運動の実質的区別が困難な実情に看眼して現行の候補者中心の選挙運動に関する規定を再検討し、政党中心又は両者の妥協点を見出して選挙運動を規制すること。
26 法第百四十一条の規定による拡声機を使用するために要した支出も選挙運動に関する支出とみなさないものとすること。
27 選挙争訟及び当選争訟の区別を廃止すること。
28 選挙管理委員会が異議の申立又は訴願の審査をする場合において、選挙人、参考人等の出頭及び陳述を求めることが出来るとする等選挙管理委員会の準司法的機関としての権限を強化すること。
29 総括主宰者、出納責任者が刑に処せられ、法第二百五十四条の通知を選挙管理委員会が受理した場合は、ただちに当該選挙管理委員会はその旨を告示するとともに、法第二百十一条の当選無効の訴訟提起の起算日は当該告示の日からとすること。
30 連座制の規定を実際の効果あるよう改めること。
31 選挙権、被選挙権を停止しないことを内容とする言渡はできないよう改めること。
32 事務費を増額するよう改めること。
33 再選挙及び補欠選挙等における経費の額を普通の選挙と同額にするよう改めること。
34 政治資金規正法全体について再検討すること。
35 土地改良区総代の任期満了による選挙は、任期の終る日前三十日以内に執行しうるようにすること。
36 土地改良区総代の選挙について立候補制度を採用すること。
37 都道府県議会の議員の選挙区の不合理について、(イ)飛地を有する郡は、これを一つの選挙区とすることがはなはだしく不合理である場合が多いので、各地区ごとにこれを独立した一個の郡とみなし、その地区の人口が著しく少ないときは、現行の郡の区域にとらわれずに実情に即してもつとも合理的と考えられる地区に合区するものとする。(ロ)地理的には完全な飛地ではないが、地勢、交通上実質的飛地と認められる地区を有する郡についても(イ)と同様の措置を講じうるものとする。(ハ)以上の改正に当つては、各都道府県の選挙区はそれぞれの沿革と実情により異なるをもつて法定事項は、相当幅を持たせ実情に即して条例で定められるよう配慮すること。

第二 選挙管理委員会制度に関する左の各事項について政府の所見を伺いたい。

1 選挙管理委員会の委員の定数を一人ないし二人増加し、会議の定足数は定数の過半数とすること。
2 選挙管理委員会は、地方公共団体の議会の議員及び職員と兼ねることができないものとすること。
3 選挙管理委員会の事務局は必置制とし、書記は専任制とすること。
4 指定都市の選挙管理委員会の区選挙管理委員会に対する一般的指揮監督権を明確に規定すること。
5 市町村の選挙管理委員会の機能が停止した場合においては、都道府県の選挙管理委員会が代つてその事務を行うことができることとすること。
6 選挙管理委員会に予算の執行権を与えること。
7 地方公共団体の長が歳入歳出予算のうち選挙に関する事務(選挙に関する啓発、周知等を含む。)に係る部分についての議案を作成する場合においては、あらかじめ選挙管理委員会の意見をきかなければならないよう法定すること。
8 地方自治法第百八十条の四の規定は、選挙管理委員会の独立性を侵し、かつ弱体化させるおそれがあるので本条を削除すること。
9 選挙に関する各種争訟事件の調査について、選挙管理委員会においても、裁判所におけるごとき権限を有するものとすること。
10 選挙管理委員会に関する規定を地方自治法より公職選挙法に移すこと。

第三 選挙の常時啓発に関する左の事項について政府の所見を伺いたい。

1 常時啓発の広報の媒体については、都市部、郡部等の地域的特性を考慮すること。たとえば、(イ)媒体の種類についていえば、都市部では横断幕、懸垂幕、アドバルン、スライド、郡部ではポスター、ビラ、紙芝居が効果的である。(ロ)ポスター、壁新聞等の掲示の場所についていえば、都市部では公衆浴場、電車、バス等、郡部では公民館、掲示板等が効果的である。
2 映画、スライドは啓発の効果が大きいので、その内容を時代に即応するものとし、これを話合いの手引として活用すること。
3 小、中学校の児童生徒に公明選挙のタスキを着用させる方法は相当の効果を期待できると思われるがどうか。
4 婦人層、青年層には特に啓発の効果が期待できるから啓発対象として重点を置くこと。
5 有線放送施設のあるところでは、常時これを利用すべきであること。
6 幻燈を中心とした共同研修の方法は、容易に行うことができるし相当の効果を収めうると思われるがどうか。
7 公明選挙推進の歌を地方民謡にとり入れること。
8 パネルディスカッション(陪席討論)も共同研修においては考慮すべき方法と思われるがどうか。
9 小団研修は、社会教育機関と提携して実施すること。
10 話合いは、有権者が自ら思考する機会を与えるとともに他人の意見を知りうるので効果的である。その方法として、母親学級、青年学級に時間を設けて指導啓発すること。
11 全国的に「選挙デー」や「選挙啓発週間」を設け、恒例行事とすること。
12 成人式の行事については、新有権者たる自覚をうながし、選挙に対する認識を持たせることに重点をおくこと。
13 ラジオによる啓発運動は選挙民に親しみやすく行うこと。
14 学校教育における選挙教育は現在十分とは認められないので、選挙の教育時間を増加する等教育課程において考慮すべきであること。
15 成人講座、青年学級、母親学級等において選挙に関する政治教育をとりあげさせるため、社会教育関係機関との接触を積極的にすること。
16 話合い運動を地域的特性に適応するように考慮するとともに、新生活運動との関連を考慮し、青年団、婦人会、広報関係機関との連けいを緊密に保つこと。
17 常時啓発は、山間へき地、島しよ等の交通至難な、しかも文化的水準の低い地域に重点をおいて進めるべきであること。
18 零細企業労働者、個人企業等の住込み従業員に対し、選挙権行使に必要な時間を与えないような使用主を罰するよう法令改正を行うこと。
19 公明選挙モデル地区を設けて、常時啓発に関する各種の方法を試み、適切なるものを採用しこれが普及をはかること。
20 公明選挙運動の効果測定のため科学的な実態調査を行うこと。
21 選挙の常時啓発に要する経費は国の委託費で交付されるべきこと。
22 選挙違反に対しては一罰百戒の態度でのぞむべきであり、そのように法令を改正すること。

 右質問する。





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