衆議院

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昭和三十三年十月二十日提出
質問第一号

 西式医学調査委員会設置等に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和三十三年十月二十日

提出者  大野幸一

          衆議院議長 星島二(注) 殿




西式医学調査委員会設置等に関する質問主意書


 第六回国会昭和二十四年十一月四日、衆議院議員井出一太(注)君は、次のごとき質問主意書を提出した。
 『西医学の創始者西勝造君は、かねて医学の革命と称し、公開の席上並びに有名新聞紙上及び一般大衆に対し、次のごとく叫んでいる。
  「心臓をポンプと考えて、強心剤を投与する現代治療医学は殺人行為が成立するから、すみやかに現行医師法を修正して、強心剤使用の制限法案を加えるべきである」と。
  しかも西医学は今日広く海外二十数箇国に宣伝せられ、国内においても二十数年来、数十万人の信奉者を有し、その影響力相当大なるものがあり、右の学説と主張は、こと人命に関する医学上の重大問題であり、国民厚生に与える影響また大なるものありと考えられる。
  右に関し政府の医師法改正に対する見解並びに国民厚生上の具体策を問う。
  右質問する。』
 また同年同月同日、参議院議員鈴木憲一君は、西医学に関して次のごとき質問主意書を提出した。
 『西医学創始者西勝造君は、彼の提唱する西医学健康原理が、あまねく国民生活に普及浸透するときは、国民医療費総額四千億円が浮きあがり、国家財政並びに国民経済の上に重大な貢献を為すものであると主張し、誤れる現代医学思想こそ、国民経済の上に莫大な損害を与えていると、公開の席上及び一般民衆に公然と宣言している。
  かくのごときは厚生行政の威信にかかわり、かつその無能を暴露するものであり、人心の動揺並びに財政上に与える影響また甚大なるものあり。
  しかも、西勝造君の学説は、最近頓に医学専門家をして納得せしめつつある現状なり。従つて、西医学の原理が真実ならば、国家の医療行政上すみやかにこれを採用し、厚生行政並びに国民経済上、これが対策を図るべきである。
  右に関する政府の処置を問う。
  右質問する。』
 以上の二人の議員の質問に対し、内閣総理大臣吉田茂君は、同年十一月十五日次のごとき答弁をしている。
 『西医学と称されるものは、今日までのところ医学界においても承認されていないので、政府としては、今直ちにこれに対する積極的措置を講ずる意思はない。
  しかして現在においては、あん摩、はり、きゆう、柔道整腹等営業法の規定に抵触するものについては、これをいわゆる医療類似行為の一種として取り締つている状況であり、今後もその方針で進みたいと考えている。
 右答弁する。』
 第六回国会における両議員の質問と政府の答弁は以上のごとくであるが、西医学の問題は今日にも残つているので、次の四点について質問する。

一 政府は、内閣総理大臣吉田茂君のこの答弁書の内容を、今日においても修正する必要はないと認めるか否か。
二 もし第一問の吉田首相の答弁書の内容を今日において修正する必要ありと認められるならば、その理由いかん。
三 吉田首相の答弁書には『西医学と称されるものは、今日までのところ医学界においても承認されていないので、政府としては、今直ちにこれに対する積極的措置を講ずる意思はない。』とあつて、政府が積極的措置を講ずる意思のない理由を、医学界が西医学なるものを承認していないという事実に求めているが、論理からいえば医学界が承認していないとしても、国民の保健上有益或いは有害である場合はあり得るのだから、国の厚生行政の上からは、国内に多くの支持者を持つている西医学なるものを調査する必要があると思われるが、これに対する政府の所見いかん。
四 井出一太(注)君は、その質問主意書の中に、西勝造君が公開の席上並びに有名新聞紙上及び一般大衆にたいし「心臓をボンプと考えて、強心剤を投与する現代治療医学は殺人行為が成立するからすみやかに現行医師法を修正して、強心剤使用の制限法案を加えるべきである。」と叫んでいるという一事例をあげているが、これは新中国のいわゆる百花斉放、百家争鳴の一つとも見なさるべきもので、もちろん言論・思想の自由の枠をはみ出ているとは思われない。しかし西勝造君が多年の研究により確信をもつて提唱している「西洋医学の心臓ポンプ説は誤りで、血流の真正な原動力は毛細管網、さらに精密にいえば毛細血管網の毛管作用にある」との新説も、また彼が「西医学のやり方を医療類似行為なりとして非難する者があるが、西医学では現代医学の模倣はしていないのだから類似ということはあり得ない。かえつて医師たちこそ西式の機械を購入して治療に用いているが、私はこれを類似行為などといつて攻撃はしない」と説く主張も、ともにまつたく従来の西洋医学・治療の枠外に立つもののごとくに認められる。これに対しては、その真偽と価値とを調査するために、厚生大臣の下に委員会を特設するくらいの行政的親切があるべきだと思われるが、これに対する政府の所見いかん。

 右質問する。



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