衆議院

メインへスキップ



昭和四十一年一月六日提出
質問第一号

 寄附金による県立高等学校の建設に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和四十一年一月六日

提出者  林 百郎

          衆議院議長 山口喜久一郎 殿




寄附金による県立高等学校の建設に関する質問主意書


一 千葉県は昭和四十年度当初予算に県立高等学校の施設の建設事業に「学校施設整備費寄附金」として五千五百七十八万二千円を計上しこれを執行している。
二 また千葉市は県立京葉工業高校施設整備寄附金四千七百五万五千円、船橋市は県立高校建設寄附金一千万円、松戸市は県立高校建設寄附金八千三百七万五千円、茂原市は県立茂原工業高校建設寄附金六百十三万一千円を昭和四十年度当初予算に計上し執行している。
三 すなわち千葉県は県立高校建設に公然と市町村の寄附金をあて半ば強制的にこれを行なつており、当該市町村はこれを承認している。
  このことは、憲法第九十二条の地方自治の本旨に反し、地方財政法第二条第一項の「他の地方公共団体の財政に累を及ぼすような施策を行つてはならない。」という規定に違反し、地方財政法の原則である「それぞれの地方公共団体の負担区分」を侵すものであり、学校教育法第五条(学校の管理と費用負担)及び地方財政法第九条などの法意からしてもこれに反するものであり、千葉県及び当該市町村は地方財政法第二十七条に明らかに違反するものである。
四 また仮に市町村が任意的自発寄附であつたとしても地方財政法第二十八条の二により禁止されているのである。
  このことは昭和三十八年七月三日自治乙財発第十号各都道府県知事宛自治省事務次官通達によつても明らかである。すなわち右通達は、
 「1……今回さらに法第二十七条を改正し、都道府県立高等学校の施設の建設事業に要する費用は、市町村に負担させることができないこととされた。この場合の建設事業には、建物の建設のみならず、同建物の敷地の取得、演習農場等の建設又は取得も含む。
  2 自発的な任意寄附についても、法第二十八条の二により地方公共団体相互間の負担区分をみだしてはならないとされており……。」
 とあり、自治省は地方財政法の明確な解釈を下しその旨を指示している。
五 しかるに、この違法な当局の予算の執行に対し本年八月三十一日松戸市古田れい子ほか三名から松戸市監査委員会に「違法行為禁止措置請求」の監査請求を適法に行なつたのであるが、松戸市監査委員会はこれを承認していない。
  しかも松戸市長が、右に対し十月十九日自治省財政課長に問い合わせたところ、財政課長は「市町村が一般財源(自己財源)をもつて自主的に寄附するものは違法でない」との回答を行なつている。これは前項の次官通達とは全く反対の回答であつて違法の指示を行なつたものである。(松戸市議会での市長言明)
六 政府はかかる違法行為が公然と行なわれていることを承知しながら、これを見のがしているばかりか国の圧迫により、ますます窮乏する県財政を市町村財政の負担で補うことを奨励し、
  そのため結局最終的に地方公共団体を通じて地方住民の負担を二重三重に加重する政策をとつている。そのために地方公共団体は政府の地方自治に対する破壊と収奪のもとで、必要な高校教育を行なうためにこれらの違法行為を余儀なくされている。
  とくに千葉県においては、これらの違法行為が露骨に行なわれているが、それは単に千葉県だけの例ではなく、全国的に行なわれているのである。これを放置することは、政府が憲法、地方自治法の本旨をふみにじつて、なしくずしに中央集権を強化しつつある証拠である。
  よつて、ここに質問書を提出し責任ある措置を要求する。
 (1) 一般的に県立高等学校の建設にあたり、他の地方公共団体の寄附金をこれにあてることは、たとへ地方公共団体が自発的、任意の寄附であつてもそれは違法だと考えられるが、どうか。
 (2) 千葉県並びに千葉市、船橋市、松戸市、茂原市等の行なつた前記高等学校の寄附行為は県、市ともに明らかに違法であると思うが、どうか。
 (3) 松戸市長からの問い合わせに対する財政課長の回答は、全く違法な行為を支持したことになるが、自治大臣はどのような監督、指導を行なつているのか。
 (4) 県、市は既に予算を決定し実施している。これが違法行為に基づくものとすれば、自治大臣はこれをどのように措置するのか。
 (5) このような違法行為は全国各地の地方公共団体において公然と行なわれている事実があるが、これをどのように措置するか。

 右質問する。



衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © 2014 Shugiin All Rights Reserved.