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昭和四十一年六月十七日提出
質問第一二号

 清掃法施行規則に関する再質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和四十一年六月十七日

提出者  中村時雄

          衆議院議長 山口喜久一郎 殿




清掃法施行規則に関する再質問主意書


 六月十日質問に対する回答書は質問の本質的な解答となつていないので以下の点を再質問する。

一 一定の広さの地中に配管して滲透させる方法は答弁書にあるごとく、広い地域の諸国では既知の事実である。その技術を日本において現在まで採用せずにきたことは、もつぱら滲透方法は狭い国土の土地利用を余儀なくされている日本では、地下汚染に重大なる影響があると保健所等において指導してきたからである。それにもかかわらず、あえて現在までの指導と根本的に異なる行政指導を公害防止対策と逆行した方向で行なうよう省令改正した点の考え方を回答せられたい。
二 答弁書によれば、トレンチ配管によつて均等に散水し、滲透処理する方式であれば完全に地下水汚染を防水し得るとの回答であるが、まずトレンチ配管から均等に散水することは不可能であつて有孔地下配管の入り口附近から重力滲透するか、入り口附近が目づまりした後に、次の孔から滲透するがごときものであつて、汚水が地中を重力の作用ですきまの大きい孔のみを通過する原理は、滲透ますによる地下汚染作用となんら異なることのないものであるにかかわらず特に安全であると主張される根拠はなにか。
三 トレンチ方式によつて均等に滲透させる場合は消毒の必要がないとの説明であるが、その根拠として汚水中の細菌類は土壌中に吸着ろ過されるものであるとされている。土壌中には各種大きさのすきまが存在し、汚水は答弁書のごとき「水みち」を通過して直接地下汚染の危険を有するにかかわらずなにゆえに消毒の必要がないと、わざわざ省令にまで定めることが必要であつたのであろうか。
  今までの末端衛生行政担当者が、病源性細菌を一つでも、地下に浸入せしめないことを指導の原則としていたこととてらし合わせて考えるとき、この清掃法施行規則改正は真実に理解にくるしむものである。
四 放流水質を生物化学的酸素要求量一二〇PPM以下としてもよいと改悪した根拠として、下水道法に準じたものであると説明されていて、今までの水質よりはるかに基準を低下せしめた理由についてはふれられていない。下水道法によれば放流水質には生物化学的酸素要求量の基準以外に各種の基準を有し、あわせて管理が十分にゆきとどくと思われる公共企業体の経営である。ここで問題とする浄化槽は各家庭ごとの管理不十分なる運営を余儀なくされ、しかも制約条件は酸素要求量のみである。従つて制限水質は下水道法と同一視すべきものでなく、よりよき水質であることが常識であると思うがどうか。
五 浄化槽放流水質の制限を緩和した根拠について少なくとも現状において屎尿を単独に処理する浄化槽において生物化学的酸素要求量三〇PPM以下にすることは困難であると説明されている。一般に浄化槽放流水の維持管理の行政の決め手として清掃法施行規則で定められている灌注水を増加せしめる指導が行なわれていて、その管理を強化することによつて十分にその目的が果たせるにもかかわらずなにゆえその管理を強化する方向に向かわず放流水質規則を緩和せしめることで清掃法施行規則が改正されたのであるか。
六 以上要約するに清掃法施行規則第十条は公害防止対策に逆行する各種の問題を含んでいるように思われるが、どうか。

 右質問する。





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