衆議院

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昭和五十年三月七日提出
質問第九号

 戦災傷病者に対する特別援護措置に関する再質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和五十年三月七日

提出者  渡辺武三

          衆議院議長 前尾繁三郎 殿




戦災傷病者に対する特別援護措置に関する再質問主意書


 標記の質問に対する政府の答弁は、戦争犠牲者として傷病苦と生活苦にしんぎんする戦災傷病者の悲惨な実情に故意に目を覆うものであり、社会的公正と弱者救済の見地より到底納得できない。
 よつて、次の諸点に関し、政府の明確な見解を承りたい。

一 太平洋戦争は、国家総動員体制の下に前線と銃後の区別なく戦かわれ、殊に、戦争の末期にあつては、夜昼の区別なく激しい空襲で内地の諸都市はせい惨な戦場と化し、国民はあげて戦争遂行に協力を強制され、ために多数の戦災傷病者を出すに至つたのである。
  したがつて、戦災傷病者は戦傷病者と同じく戦争犠牲者というべきではないか。
二 戦災傷病者が戦傷病者と同じく戦争犠牲者であるとすれば、単純に国との使用関係の有無により、両者の援護措置につき格段の差別を設けるのは、はなはだ不当と考えるがどうか。
三 国との使用関係の有無により、戦争犠牲者の援護措置につき合理的な差異を生ずることがあり得るとしても、戦災傷病者のうち現行の一般社会保障施策をもつてしてはその生存権を保障することができない者に対しては、特別立法により何らかの援護措置を講ずることとするのが、国の当然の責務に属すると考えるがどうか。
四 政府の答弁によれば、原子爆弾被爆者に対しては、原子爆弾の放射能の影響を受けて今なお特別の状態にあることに着目し、社会保障の考え方に基づき、特別立法により特別の援護措置を行つているとのことである。
  国との使用関係のない原子爆弾被爆者に対してこのような一般社会保障施策のわく外で特別の援護措置が可能であるならば、同じく国との使用関係のない戦災傷病者についても、そのうち今なお現行の一般社会保障施策をもつてしてはその生存権を保障することができない者に対しては、特別立法により傷病の程度に応じ一般社会保障施策のわく外で特別の援護措置を講ずべきが至当と考えるがどうか。
五 国は、憲法第二五条の生存権保障の規定に基づき、生活保護法、身体障害者福祉法、精神薄弱者福祉法、児童福祉法、老人福祉法等各般の社会保障立法を行い、また、上記のごとく原子爆弾被爆者に対しては原子爆弾被爆者の医療等に関する法律及び原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律を制定する等、社会的公正と弱者救済の確保に努めている。
  したがつて、戦災傷病者についても、この際全国の戦災傷病者の実態を調査の上、現行の一般社会保障施策をもつてしてはその生存権を保障することができない者に対しては、特別立法により手厚い援護の手を差し伸べるべきではないかと考えるがどうか。

 右質問する。



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