衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
昭和五十三年二月八日提出
質問第一〇号

 特許協力条約に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和五十三年二月八日

提出者  土井たか子

          衆議院議長 保利 茂 殿




特許協力条約に関する質問主意書


 政府は、一九七〇年六月十九日、特許協力条約(以下「条約」という)に調印した。そして今国会において条約の国会承認及び関連国内法の整備を予定している。
 この条約は、発明者個人の権利に関し迅速、適確な法的保護を希望することを立法の趣旨としているものであり(条約前文)、それゆえ、その趣旨を生かした条約の制定経緯及び条文解釈にいささかの疑点を残すことも許されず、それらの意義するところを明らかにする必要がある。
 そして、条約が国際協調と国益の調和的具現であるとも考えられるところ、元ハーバート大学教授ラダス氏は、その著「特許、商標及び関連する諸権利」なる論文において、「アメリカ合衆国(以下「米国」という)は、自国の特許法とプラクティスに添わない事項を条約(案)から削除させ、かつ、条約中に自国法の規定を挿入することに成功した。」旨報告している。
 そこで以下に事実及び政府の所見を質すものである。

一 右ラダス報告は事実か。事実とすれば、条約のうち、米国が米国の特許法の規定に相当するものを挿入することを提案した条項は何か。及びその際の米国の提案理由。
二 米国が条約批准に際して行つた米国の特許法の改正点のすべてを挙げよ。
三 我が国の国内法の規定中、条約中に取り入れられたものがあるか。あるとすれば、その条項(国内法と条約)及びその際の我が国の提案理由。
四 米国、ソビエト社会主義共和国連邦、ドイツ連邦共和国、スイスの留保条項及び条項別の留保理由は何か。並びに我が国の留保予定条項及び条項別理由。
五 特許協力条約(PCT)への加盟に伴う特許法等の改正に関する中間報告の序において、条約第二章については、特許庁の事務負担、国際的動向等を考慮した場合、当面留保することもやむを得ない旨報告している。
 イ 右中間報告時点において算定した事務負担とその算定根拠を示されたい。
 ロ 右時点において、我が国が条約第二章を留保してよいと判断した国際的状況とはいかなるものか。
六 条約中、我が国の提案が受け入れられた条項及びその際の提案理由。
七 条約第二十七条(8)について
  「自国の国家的安全を保持するために必要と考える措置」を締約国が自由にとることができるのであるが、我が国において右必要と考える措置とはどのようなものであるか。
八 条約第四十六条に関して
 イ この条文について我が国がした提案事項。
 ロ 出願人の提出した翻訳が不正確であり、そのために原語の国際出願に示されていた開示を狭めるものであるとき、その狭められた部分を回復する補正は認められるか否か、その根拠、理由とともに答弁されたい。
 ハ 国内の審査過程において、当初の原語の国際出願を参照する義務の存否及び翻訳のみに基づいて審査を行うことができるか否か、その根拠、理由とともに答弁されたい。
 ニ 当該国際出願に基づいて与えられた特許の範囲が原語の国際出願の範囲と完全に異なるものとなつた場合、この条文は適用されるか否か、その根拠、理由とともに答弁されたい。
九 条約第六十四条(2)(a)(i)の留保が存在する理由並びに条約第三十九条(1)(a)において出願人がする国際出願の写し及び所定の翻訳文の提出期間が、優先日から二十五箇月を経過する時までとされている理由はいかなるものか。

 右質問する。





経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.