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昭和五十三有六月十六日提出
質問第六三号

 学校法人日本大学における学生の自治・学生対策等に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和五十三年六月十六日

提出者  木島喜兵衞

          衆議院議長 保利 茂 殿




学校法人日本大学における学生の自治・学生対策等に関する質問主意書


 日本大学は、学生数並びに私立大学等経常費補助額において、日本最大の学校法人である。この大学は、昭和四十三年四月、教職員給与からの源泉徴収もれ等が発覚して、教職員組合・学生の追求するところとなり、「脱税」・「使途不明金」問題として「紛争」が起こつた。また、これを契機として長年の大学当局による学生の自治弾圧・体育系学生等による暴力行為の日常的横行を糾弾する学生の蜂起によつて、いわゆる「日大闘争」として拡がつた。
 同年九月三十日、学生と理事会の間で「大衆団交」が開かれ、経理の全面公開、検閲・許可制度の撤廃、理事の総退陣等九項目が確約され、一たん「紛争」はおさまる気配を見せた。ところが翌日の佐藤発言(当時首相)によつて確約は結果として反古となり、「紛争」は再燃し、事態は一そう泥沼化した。その上、大学当局は昭和四十四年一月頃から機動隊の導入等により強権をもつて学生を排除し、学部によつては、通称「関東軍」と呼ばれる警備会社から雇用した警備員等によつて学生の出入を厳しく検閲・検問しつつ、一方的に授業を再開してこれをもつて正常化とした。その間、警備員等による学生への暴力行為が頻発し、特に大学当局の弾圧支配機構に根ざすと思われる体育系学生・右翼的団体等による暴力行為が跡を絶たず、昭和四十五年二月には学生の事故死を引き起こした。このような体育系学生集団は、昭和四十三年の「紛争」時に大学が闘争学生に対立・対抗するよう仕向けたために、警察当局から注意を受けたことがあるにもかかわらず、その後も放任されていた。これらを含めて、大学当局による学生の自治活動への制限ないし弾圧はなおも続き、かつて古田日大会頭が「日大には学生運動と組合がない」と宣伝した時代と全く同様、自治会の組織化も許されない状態が続いている。
 このことは、去る六月五日の学生焼身抗議事件に見るまでもなく、看過し得ない危険性を持ち、その対策は緊急を要すると考える。
 従つて、次の事項について質問する。

一 昭和五十年二月二十五日に、同大商学部学生・中村克己君が京王線武蔵野台駅付近において同大体育系学生集団の暴力によつて負傷し、三月二十五日に府中市内の奥島病院において死亡した事件のてんまつ並びに父母への対応の仕方について。
二 昭和五十二年四月二十二日、都内千代田区三崎町の同大経済学部「中国拳法錬心館」新入生勧誘会で、「練習試合」の直後死亡した同学部学生・青木雅彦君について、事故死のてんまつ、責任の所在、大学当局による父兄への対応、善後策等について。
三 昭和五十三年六月五日、千代田区三崎町の同大本部前の路上で「大学当局の学生弾圧に抗議する」旨の意志表示をして焼身自殺をはかつた同大法学部学生・鈴木俊博君に関して、事件の背景となつた同大法学部における学生自治の状況、学部当局の学生「対策」の内容並びに一般に知らされない鈴木俊博君の容態等について。
四 同大農獣医学部(都内世田谷区下馬町及び神奈川県藤沢市亀井野)において掲示されている「告」・「学内指示事項」の趣旨と、同学部が昭和四十四年二月五日付「学部提案」(付「紛争の経緯」)に対する違背の有無について。
五 同大農獣医学部(同右)の学生組織「誠心会」の実態(目的・人数等)について。
六 同大農獣医学部において、教職課程履修希望者に予め作文を課して選別する理由及び右のことの諸法規への適合性に関する学部当局の認識について。
七 同大文理学部(世田谷区桜上水)では、ここ数年正門を閉ざし、通称「関東軍」なる警備員を常駐させて厳重に学生の出入を検問している。また、ビラマキ程度の、学生の自由な活動にも暴力的制裁が加えられる由、その学則上の根拠、日本国憲法等への適法性についての学部当局の認識如何。

 右質問する。





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