衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
昭和五十五年七月二十三日提出
質問第二号

 同和対策に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和五十五年七月二十三日

提出者  三谷秀治

          衆議院議長 福田 一 殿




同和対策に関する質問主意書


 同和対策事業特別措置法制定後十一年が経過した。その間に道路・住宅を中心とする生活環境の改善、所得格差の是正、教育の充実などで一定の行政的成果をあげることができた。
 同時に事業実施のアンバランスや特定団体の行政介入や支配など同特法自体の弱点と結びついた重大な弊害も生まれた。
 こうしたなかで同特法の三年延長が行われ、その際、同和対策事業の改善のために、「一 法の有効期間中に、実態の把握に努め、速やかに法の総合的改正及びその運営の改善について検討すること。一 同和対策事業を実施する地方公共団体の財政上の負担の軽減を図ること。一 同和問題に関する事件の増発状況にかんがみ、国民の理解を深めるため、啓発活動の積極的な充実を図ること。」という三項目の附帯決議がつけられた。
 しかし、その後一年九ヵ月を経過した今日、同和行政のあり方の検討を任務とする同和対策協議会が再開されていないばかりか、三項目の附帯決議はなんら具体化されていない。
 また、自民党内では「法の再延長はありえない」という意見が強まつていると伝えられている。
 ところが同和行政の実態は、全国的にみると、きわめてアンバランスな状況にあり、特に南九州や北関東などにみるように、ここ一〜二年来ようやく同和対策事業に着手したところも少なくない。大都市においてもなお同和対策事業の立遅れた地域があり、同和対策が引きつづき必要となつている。
 従つて、同和対策事業の到達点と運用の改善を含む総合的な検討を行つて、実態に即した同和対策事業を国民合意のもとに進めることがなお緊要である。
 そこで以下の事項について政府の方針を示されたい。

一 三項目の附帯決議を実行する意志があるか、ないか。
  具体的にはどのような進行状況にあるか。
二 同和対策協議会は、学識経験者委員の任期が昭和五十三年五月末に切れて以後二年余にわたり任命されていないため、本来の機能を果たせないでいる。
  こうした異常な事態を改め、政府自身がすでに決めている全解連代表をはじめ関係三団体代表を含む委員の任命を行い、同対協を早期に再開させる必要があると思うが、これを実施しない理由はなにか。
三 すでにわが党は同特法の延長に当たつて、公正・民主の同和行政が法的に保障されるよう、「@国の責任を明確にし、地方自治体の財政負担などを軽くする。A同和事業の目的は、部落差別解消にあることをはつきりさせ、一般地域との格差是正を同和事業の範囲とする。B同和事業は属地主義を原則とする。C個人給付事業は困窮者の経済的自立促進を目的とし、所得制限を導入する。D国および地方自治体が公開、公正、住民合意を前提にみずからの判断と責任において同和行政をおこない、対象地区住民にたいし、思想、信条、所属団体などの違いによつて差別しない。」の提案を行つてきている。この方向はすでに昭和五十三年五月の同対協の意見書や昭和五十四年五月の全日本同和対策協議会専門部会報告書などでも同様の主張が行われている。
  これらの諸点を検討し、同和対策事業を改善する考えがあるか、どうか。
四 すでに述べたように今日的に同和対策事業のアンバランスがある。こうした遅れたところに陽があたるよう、実態に即した公正・民主的な同和対策事業がなお必要な状況にあり、そのためには同特法の内容を民主的に改正して一定年度の延長が必要と思うが、どうか。

 右質問する。





経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.