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昭和五十八年二月十四日提出
質問第五号

 ブチルヒドロキシンアニソール(BHA)の使用制限に係る告示の施行期日の延期に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和五十八年二月十四日

提出者  岩佐恵美

          衆議院議長 福田 一 殿




ブチルヒドロキシンアニソール(BHA)の使用制限に係る告示の施行期日の延期に関する質問主意書


 発癌物質BHAの使用制限の延期措置は、国民の健康をないがしろにするものであるという大きな怒りを呼び起こしている。
 食品添加物として使用されているBHAは、名古屋市立大学医学部伊東信行教授のラットでの発癌試験で、その発癌性が確かめられた。
 そして、昨年五月、食品衛生調査会は、BHAが「ラットに対し発癌性を示すものと評価された結果に同意する」とし、「これら添加物が食品に残留することは好ましくない」との結論を出し、五月七日に厚生大臣に意見具申をしたのである。
 厚生省は、この意見具申に基づき「BHA及びこれを含む製剤は、……食品には使用しないこと」という対処方針を明確にした。そして、八月二日、施行期日を五十八年二月一日とするBHAの規制告示を出したのである。
 ところが政府は、本年一月三十一日、突然BHAの使用制限に係る告示の施行期日を延期した。そして、厚生大臣談話で、「BHAの安全性について学問上の評価が国際的に分かれていることを配慮したため」とその理由を説明した。
 しかし、このようなあいまいな理由による延期措置によつて、発癌物質がそのまま放置されることは、とうてい納得できるものではない。
 従つて次の事項について質問する。

一 伊東信行教授のBHAの発癌性についてのファイナルレポートについて
 1 政府は、レポートに示されたBHAの発癌性についての結論を認めるのか、それとも否定するのか。
 2   否定するのであれば、その根拠は何か。
 3 認めるのであれば、なぜBHAの規制を延期したのか。
 4 判断がつかぬというのであれば、なぜ食品衛生調査会の明確な結論に従わないのか。
二 外国政府の要求によつて、特定の食品添加物に関して四ヵ国専門家会議なるものが開催されたことは、まつたく異例である。
  なぜBHAに関してのみこのような会議に応じたのか。
三 このような延期措置に至つた最大の要因が、外圧にあつたとの疑いは濃厚である。
 1 中曽根総理は、「BHAは、各国から慎重にやつてほしいという話しがあるようだが」と発言したと伝えられているが、事実か。
 2 延期措置は、総理と厚生大臣との会談に基づいてなされたと伝えられている。総理は、食品衛生に関し、一体どのような権限を持つているのか。
 3 国民の生命と健康にかかわる問題で、食品衛生調査会という権威ある機関が結論を下している事項を、なぜ外国の意見によつて変更しなければならないのか。
四 今回の措置は、食品衛生調査会の権威を大きく損なうものと言わざるを得ない。
  政府は、今後も、食品衛生調査会の答申と外国政府の見解が食い違つた場合、答申を無視する考えか。
五 政府は、発癌性が明らかになつたBHAの放任による国民の健康破壊について、どのように責任を負うのか。

 右質問する。





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