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昭和五十八年三月五日提出質問第一〇号
日韓首脳会談・共同声明に関する質問主意書
右の質問主意書を提出する。
昭和五十八年三月五日
提出者 野間友一
衆議院議長 福田 一 殿
日韓首脳会談・共同声明に関する質問主意書
一月に突如として行われた日韓首脳会談及びそれに基づく共同声明は、日韓関係を「新しい次元」とまでうたいながら、その内容は国会、国民に対して十分に報告されているとはいいがたい。
今回の首脳会談は、米日韓同盟へ踏み込むものであり、韓国側の報道でも、「三角安保体制の確立」などと報じている。政府は、これを否定しているが、なお国民の間の疑惑は増すばかりである。
そこで、以下質問する。
政府は、これと共通の見解か。
二 一九六九年の佐藤・ニクソン共同声明において、佐藤首相は、「韓国の安全が日本自身の安全にとつて緊要である。」と述べた。
日韓共同声明にも、この認識が含まれているのか。
三 共同声明第四項は、朝鮮半島とそれをめぐる情勢認識にとどまらず、東アジア地域の平和、安定のための相互努力をうたつた。
ア この「努力」を明記した理由は何か。韓国の安全保障と関連して、日本の何らかの協力・共同があり得るということか。
イ そうでないとしたら、日本側の「努力」とは、具体的に何を指すのか。
ウ この「努力」の中に、日韓軍人交流の活発化も含まれるか。
エ 昭和五十八年二月二十三日、衆議院外務委員会で、この「努力」には、経済協力は含まないとの政府答弁がなされているが、首相は、一月二十八日の衆議院本会議において、「たとえば、韓国の民生安定と福祉の向上のために協力する」と述べている。
経済協力を含むのは当然ではないか。
オ 共同声明第八項に基づく総額四十億ドルの対韓経済協力は、第四項の「平和と安定」のための「努力」を体して行われるものではないのか。
四 共同声明第四項は、韓国に対して、韓国の安全が日本の安全にとつて固く結びついていることを表明したものであるから、日本政府は、韓国有事の際、在日米軍の直接戦闘作戦行動に関する事前協議で、イエスの立場をとる比重が大きくなつたと考えるがどうか。
右質問する。