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昭和五十八年五月二十五日提出
質問第二四号

 自衛隊の衛星利用に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和五十八年五月二十五日

提出者  野間友一

          衆議院議長 福田 一 殿




自衛隊の衛星利用に関する質問主意書


 二月五日の衆院予算委員会において、中曽根首相が自衛隊の通信衛星利用について検討する旨答弁して以来、政府は自衛隊の衛星利用の実施に向けて積極的な協議を行つている。自衛隊の衛星利用は昭和四十四年の、宇宙開発及び利用は「平和目的に限」るとした本院決議に抵触し、軍拡路線にいつそう拍車をかけることになり、この政府の動きを看過するわけにはいかない。そこで以下の点につき質問する。

一 本院は昭和四十四年五月九日、「わが国における宇宙の開発及び利用の基本に関する決議」を採択している。
  同年六月六日の参院科学技術振興対策特別委員会で木内科学技術庁長官は、「いかなる衛星も、たとえば防衛庁でも飛ばさせない、……遠い将来、必ず私は問題になつてくるのじやないかと、こう思うのですが」との質問に答えて、「衆議院の本会議の決議として、宇宙の開発利用に関する基本方針という決議によりまして、これはあくまで平和目的に限りという合意ができておりますので、それの存しておる限りにおいては、いま御心配のような問題は私は起こつてこない」と言明している。しかし、中曽根内閣は自衛隊の衛星利用に道を開こうとしている。
  自衛隊が通信衛星を利用することは、この国会決議と科学技術庁長官の答弁に反すると思うが、どうか。
二 衛星打上げ用ロケットについても、前述の科学技術庁長官答弁が、「これを防衛庁に使わせるということは全然考えておりません」と明確にしているが、これは将来とも不変であるか。
三 (イ)自衛隊の硫黄島海上・航空両部隊と本土部隊との連絡体制強化のために、通信衛星「さくら二号」を利用することは、命令伝達など自衛隊の軍事機能向上という軍事目的そのものではないのか。
  (ロ)昭和四十四年五月八日の衆院科学技術振興対策特別委員会において、木内科学技術庁長官は、「平和」とは「非軍事」との解釈を示している。国会決議の「平和目的に限り」は、軍事機能にかかわるすべての事柄を否定していることは明白であり、硫黄島部隊と本土部隊との通信に「さくら二号」を利用することは、国会決議に明らかに反したものではないか。
  (ハ)「平和目的に限り」の「平和」が「非軍事」だということは木内答弁でも明らかなとおりだが、自衛隊の災害対策を名目にした衛星利用も、この「非軍事」に限るとの見地からすれば許されない。政府はこの国会決議の見地を貫くべきと思うが、どうか。
四 昭和六十一年に打ち上げが予定されている海洋観測衛星MOS1(マリン・オブザベーション・サテライト)は、海上と地上の五十メートル四方のものが判別できる能力を持ち、原潜探知も可能である。自衛隊がMOS1を利用するとすれば、原潜探知をはじめとした高度の軍事目的としか考えられない。
  MOS1を自衛隊が利用することは国会決議に反すると思うが、どうか。
五 レーガン政権は、「スペースシャトル」で軍事衛星を打ち上げる方針をすでに明らかにしているが、自衛隊が偵察衛星などをアメリカに打ち上げてもらうこともまた、国会決議に反すると思うが、どうか。

 右質問する。





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