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昭和五十八年十一月一日提出
質問第一三号

 嘉手納基地における韓国軍部隊の米空軍訓練協議参加に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和五十八年十一月一日

提出者  (注)長亀次郎

          衆議院議長 福田 一 殿




嘉手納基地における韓国軍部隊の米空軍訓練協議参加に関する質問主意書


 沖縄の米軍嘉手納基地で、米第五空軍が主催して行つた航空機にミサイルや爆弾などを積載、装着する訓練競技に韓国軍部隊が参加していたことが去る九月三十日、明らかになつた。
 第三国軍人の訓練については、昭和四十七年五月二十三日政府は、「わが国の提供した施設・区域は安保条約に基づいて米軍に使用を認めているものであり、第三国人が訓練の目的で在日米軍施設・区域を使用することは、安保条約上認められない」と答弁している(昭和四十七年五月十三日、日本共産党の松本善明議員の質問主意書に対して)。
 今回の「セイバー・スピリットII」という名称の爆弾装着訓練競技は、武器積載の迅速、安全性、信頼度を総合的にテストするもので、日常訓練の総仕上げとも言うべきものであり、競技とは言え訓練の一環をなすことは明白である。
 韓国軍部隊の米空軍訓練競技参加が、日米安保条約にさえ反することは言うまでもなく、事実上、在日米軍基地での第三国軍人訓練に道を開くとともに、日米韓軍事一体化、共同作戦をなし崩し的に進めようとするもので、絶対に許すことはできない。
 従つて、次の事項について政府の見解をただしたい。

一 韓国軍部隊の米空軍訓練競技参加について、本年十月四日の衆議院外務委員会で安倍外務大臣は、最終的に調査をして結論を出したいとしながらも「単なる親善を目的とした競技への参加なら地位協定上は違反にならないんじやないか」と答弁した。
  米第五空軍の実践的なミサイル・爆弾装着訓練競技への韓国軍部隊の参加を「親善目的の競技」参加なら在日米軍地位協定上許されるがごとき表明をしたことは重大である。
 1 訓練と競技がどう違うのか。その具体的な基準を示されたい。
 2 名称が競技とつけば、どのようなものでも参加が許されるのか。
   例えば、小銃、迫撃砲、戦車砲などによる実弾射撃訓練競技への参加も認められるということか。
 3 今回の競技なるものの内容は、まさに訓練そのものではないのか。
 4 安倍外務大臣の答弁は撤回すべきである。これに対する政府の見解を求める。
二 韓国軍部隊が参加して行われた米第五空軍主催の「セイバー・スピリットII」と名付けられたミサイル・爆弾積載装着訓練競技の概要を次に従つて明らかにされたい。
 1 訓練競技の期間及び内容
 2 八チームが参加したと報じられているが、その参加部隊名
 3 訓練競技に参加した韓国軍部隊は八チーム中の一チームか。
   韓国の大邱基地から派遣された兵器専門要員は九人だけか。
 4 この専門要員はすべて六四九七統合航空機整備中隊に所属するのか。これ以外の所属部隊であれば、その名称を明らかにされたい。
 5 同航空機整備中隊は、韓国群山基地の在韓米空軍第八戦術戦闘航空団の第四九七戦術戦闘飛行隊に付属するのか。
   また、同整備中隊は通常、在韓米空軍の機材整備、ミサイル、弾薬の装着を行つているのではないのか。
 6 他に参加並びに見学した韓国軍部隊、要員等はいないのか。
 7 この訓練競技に自衛隊は参加しなかつたのか。
   防衛庁は、自衛隊員十六名が「見学」したことを認めているが、何のための「見学」か。隊員の所属部隊名を明らかにされたい。
 8 一九七二年の沖縄復帰以降、沖縄を始めとする全国の在日米軍基地において、韓国など第三国軍人が、今回のような訓練競技に参加した例があるか。もしあるとすれば、その回数及び参加軍人の国籍を明らかにされたい。
 9 昭和四十七年から昭和五十七年までの間、嘉手納の米空軍基地に第三国人が二千二百四十九名入国しているが、国別内訳を明らかにされたい。
   このなかで韓国軍人は何名か、それらの軍人の入国目的は何か。
三 外務省の北村北米局長は、在日米軍基地において米軍が持つている管理権の下で第三国人が親善で視察あるいは連絡することは許されており、韓国軍人が訓練を見学することも、そのなかに入る場合もあろうかと考えている旨答えている(昭和五十八年十月四日、衆議院外務委員会)。
 1 韓国軍人が在日米軍基地で軍事訓練の見学を許されるとすれば、それはどういう場合か。
 2 韓国軍人が訓練の見学を許されるのであれば、例えば沖縄で行われた米軍の大規模な上陸演習“フォートレス・ゲイル”や“バリアント・ブリッツ’83”、さらに米戦略空軍の世界的規模の核戦争を想定した演習と言われている“グローバル・シールド”などを見学することも、今後は認められるということか。
 3 韓国軍部隊が在韓米空軍の一員として、在日米軍基地で訓練を行う場合でも、それは許されないと考えるが、どうか。
   また、その訓練が米軍の軍事訓練の一環であるとしても同様に日米安保条約並びに在日米軍地位協定上、禁止されていると考えるが、これに対する政府の明瞭な見解を示されたい。
四 韓国軍部隊の米空軍訓練競技参加について、安倍外務大臣は、「調査して結論を出したい」と答弁している(昭和五十八年十月四日、衆議院外務委員会)。
  調査結果と結論を伺いたい。

 右質問する。





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