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昭和六十年四月三日提出
質問第二四号

 二・四・五 ― T系除草剤の廃棄処分にかかる具体的な処理方法に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和六十年四月三日

提出者  松浦利尚

          衆議院議長 坂田道太 殿




二・四・五 ― T系除草剤の廃棄処分にかかる具体的な処理方法に関する質問主意書


 昭和四十六年十一月五日、林野庁長官は「四六林野業第五四六号」をもつて「二・四・五 ― T系除草剤および有機塩素系殺虫剤等の廃棄処分について」を各営林局長宛通知した。
 これによると、二・四・五 ― T系除草剤の廃棄処分にかかる具体的処理方法については、「一〇倍量程度の土壌とよく混和したうえ、セメント一、水〇・六、土壌四〜五の重量配分で練り合せ、コンクリート塊としてビニール底の上に埋め込む」としている。
 さて、土にセメントと水を混ぜて、土を固く強いものにする方法をソイルセメントという。土木工学の分野では、地盤の支持力、沈下性状の改善等の手法として用いられるが、その耐久性、水密性などは、砂、砂利、セメント、水を混ぜる通常のコンクリートに比べ、極めて劣つているとされている。
 コンクリートの場合でも、砂、砂利といつた骨材は、文字どおりコンクリートの骨に相当し、その性質の良否は、そのままコンクリートの性質に影響するとされる。そのため、土木学会の示方書においても、「骨材は、清浄、強硬、耐久的で、適当な粒度をもち、ごみ、どろ、有機物、塩分等の有害量を含んではならない」と規定されている。通常、砂、砂利などは水洗いして用い、有害物含有量の限度も決められている。更に、耐久性や水密性を重視する場合には、水とセメントの重量比の限度なども定められている。
 このような種々の規定は、長年にわたるコンクリート工学の研究や施工技術の蓄積によつて生まれたものであり、これによつてコンクリートの耐久性、水密性は、いわば保証されているのである。これに比べ、ソイルセメントの使用は、支持力増加、沈下性の減少といつた力学的性質の改善にあり、練り混ぜの効果ともあいまつて、耐久性、水密性については、第二義的なものとなつているといつてさしつかえない。
 ところで、セメントは水と反応して、いわゆる水和反応を起こしてセメダイン化し、骨材と骨材を密着せしめるが、この水和反応を起こす物質は、セメント中にあるCaOやSiOなどである。いつたん硬化したコンクリートでも、硫酸塩などが作用すると、CaOやSiOが溶解して、コンクリートは破壊されていくことが知られている。
 一方、二・四・五 ― T系除草剤などの枯殺剤に含まれるダイオキシンは、この水和反応に対してどのように関与するのかを含め、ダイオキシンとセメントとの間の化学反応等についての学問的研究、知識や技術経験の蓄積はほとんどないといわれている。
 そこで、以下の点について質問する。

一 二・四・五 ― T系除草剤の廃棄処分にかかる具体的処理方法を、ソイルセメント方式による埋蔵によつているが、ソイルセメントは元来、透水性が高く、通常のコンクリートに比べ、耐久性、水密性とも信頼度は低い。従つて毒物とされるダイオキシンを含む除草剤の廃棄処分の方法として、ソイルセメント方式による埋蔵は、ダイオキシンの流出が心配され、適切を欠くと思うがどうか。
二 ダイオキシンは水溶性ではないのか。水溶性であるとすれば、透水性の高いソイルセメントによつて固められたダイオキシンが浸透水によつてはぎ取られ、流出してくる可能性があると思うがどうか。
三 二・四・五 ― T系除草剤とセメントとの化学反応によつて、ソイルセメントが破壊されていくおそれはないか。少なくともよりもろくなるおそれはないか。
四 産業界において使用されている化学物質について
 1 その総数はいくつあるか。
 2 そのうち、人体、環境への影響を、既にチェックしたものはいくつか。また、そのチェックの結果、使用禁止となつたものはいくつあるか。
 3 人体、環境への影響のチェックは年間何件ぐらい行われているか。
 4 政府は企業内に立ち入るなど積極的にその存在を確認し、更に安全性をチェックする等の作業をどの程度行つているか。

 右質問する。





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