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昭和六十年五月二十四日提出
質問第三五号

 放射性廃棄物の処理・処分等に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和六十年五月二十四日

提出者  小澤克介

          衆議院議長 坂田道太 殿




放射性廃棄物の処理・処分等に関する質問主意書


 昭和六十年三月二十六日行われた衆議院科学技術委員会における当委員の質問に対する政府委員の答弁(会議録第四号掲載)において、日本原燃産業(株)が設置を予定している低レベル放射性廃棄物の集中貯蔵施設に関する原子炉等規制法上の適用条項及び安全規制業務の所管庁につき、科学技術庁と通産省との間に見解の不一致が存することが明らかとなり、安全規制体制の不明確さが示された。そもそも放射性廃棄物に対する安全規制に関しては、原子炉等規制法の改正の動きも伝えられていたところであり、はたして現行法によつて十分に対処し得るか否か、重大な問題を含むところである。
 また、日本原燃サービス(株)が同じく設置を予定している再処理工場には、各原子炉より出る使用済燃料を受入れ保管する施設及び再処理によつて出る高レベル放射性廃棄物の保管廃棄施設が設けられることとなつており、しかも右保管廃棄施設には、当該再処理工場より生ずる高レベル放射性廃棄物のみならず英・仏より返還される予定のそれをも受入れ保管する予定と伝えられている。
 いうまでもなく、これらの高レベル放射性廃棄物等は、極めて長期間環境からの隔離を必要とする高い危険性を持つものであるから、その保管管理についての安全規制の体制、責任の所在等を明確にしておかなければならない。
 更に、再処理によつて抽出されるプルトニウムに関しても、安全性の確保及び核拡散防止上の観点から、厳重な規制を要するものであり、それ故これに対する安全規制等の体制、責任の所在等を明確にすることも重要である。
 従つて、これらの諸点に関し、さきの質問によつても明確にされなかつた点を含めて次の事項について質問する。

一 放射性廃棄物の保管廃棄施設について
 1 日本原燃産業(株)が設置を予定している低レベル放射性廃棄物の集中貯蔵施設については、原子炉等規制法にいう事業所外廃棄として、同法第五十八条の二の規定が適用されると理解してよいか。
 2 前記の委員会における政府委員の答弁(前記会議録七頁下段、同八頁二段)によると、事業所外廃棄規則(昭和五十三年十二月二十八日総理府令第五六号)に所要の改正を加える必要があるとしているが、その改正対象条項、改正内容(改正案が確定していなければ検討中の改正案の内容)及び改正のスケジュールを明らかにされたい。
 3 前出の低レベル放射性廃棄物の集中貯蔵施設について
  (一) 施設を設置する事業主体はどこか。また、これを管理運営する事業主体はどこか。
  (二) 施設設置に先立つて、施設自体の安全性に関して原子炉等規制法上の許認可等が行われるか。
      もし、行われるとすれば、次の事項を明らかにされたい。
    (1) 右許認可等の根拠条文及び許認可等の要件。
    (2) 許認可等の申請者と許認可権者。
    (3) 許認可等に至るまでの行政手続、特に原子力安全委員会への諮問は行うのか。
    (4) 許認可等の予定されるスケジュール。
  (三) 施設設置に先立つて、住民公開ヒアリング等は実施するのか。行うとすれば、実施主体及び事実上説明を担当する者はいずれか。
  (四) 施設設置に際して、原子炉等規制法以外の法令による許認可等が行われるか。行われるとすれば、その根拠法令、許認可等の要件、申請者、許認可権者、許認可等の行われる段階、許認可等に至る手続は、それぞれどうか。
二 使用済燃料及び高レベル放射性廃棄物について
 1 日本原燃サービス(株)が設置を予定している再処理工場において、各原子炉より出る使用済燃料を保管施設に受入れ保管することに関し、原子炉施設の敷地から右保管施設まで運搬する間及び右保管施設で保管する間の各段階につき、これら使用済燃料の所有権の帰属、管理責任の所在及び原子力損害賠償法上の責任主体はどうなるか。
 2 右工場において英・仏より返還される高レベル放射性廃棄物を保管廃棄施設に受け入れることに関し、
  (一) 英・仏の再処理工場内にある間、英・仏の領土・領海・領空内を運搬する間、公海上を運搬する間、我が国の領土・領海・領空内を運搬する間及び保管廃棄施設内にある間の各段階について、これら高レベル放射性廃棄物の所有権の帰属、管理責任の所在及び原子力損害賠償法上の責任主体はどうなるか。
  (二) また、右のどの段階から我が国の安全規制法令のどの条項が適用されるのか。この場合、日本籍の船舶若しくは航空機により運搬する場合とその他の場合とで差異を生ずるか。
 3 英・仏から返還される高レベル放射性廃棄物に関し、
  (一) 返還廃棄物の仕様について、英・仏と日本の受入れ側の間に合意が成立しているか。
      成立しているとすれば、次の事項を明らかにされたい。
    (1) 合意のなされた年月日
    (2) 合意の当事者
    (3) 合意された仕様の内容
  (二) 合意が成立していないとすれば、次の事項を明らかにされたい。
    (1) 英・仏から既に提示されている仕様の案があればその内容
    (2) 受入れ当事者及び安全規制所管庁は、それぞれ今後どのようにして仕様の安全を確認するのか、その見通しと手続
三 プルトニウムについて
 1 国内の再処理工場で抽出されたプルトニウムに関し、再処理工場において保管される間、再処理工場から右プルトニウムを加工する事業施設まで運搬する間、加工施設にある間、加工施設より原子炉施設等まで運搬する間及び原子炉施設等にある間の各段階について、これらプルトニウムの所有権の帰属、管理主体の所在及び原子力損害賠償法上の責任主体はどうなるか。
 2 英・仏の再処理工場で抽出されたプルトニウムに関しては、
  (一) 右1に記載した事項に加えて、英・仏の領土・領海・領空内を運搬する間及び公海上を運搬する間についても併せて明らかにされたい。
  (二) また、右の場合、右のどの段階から我が国の各種規制法令のどの条項が適用されるのか。この場合、日本籍の船舶若しくは航空機により運搬する場合と他の場合とで差異を生ずるか。
 3 現在までに、国内の法人又は個人を一方若しくは双方当事者として、プルトニウムの譲り渡し又は譲り受けが行われたことがあるか。あるとすれば、その年月日、当事者、数量、対価並びに対価算定の方式・根拠について明らかにされたい。

 右質問する。





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