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昭和六十年十一月十六日提出
質問第一一号

 抗ガン剤(免疫療法剤)に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和六十年十一月十六日

提出者  草川昭三

          衆議院議長 坂田道太 殿




抗ガン剤(免疫療法剤)に関する質問主意書


 中央薬事審議会は去る十一月五日、免疫療法剤レンチナン(味の素ら三社申請)の製造承認申請について、ガン化学療法剤との併用によりその効果を増強するとして、製造承認した。
 申請書によればレンチナンは、手術不能又は再発胃ガン患者に対し、化学療法剤テガフールと併用した場合、テガフールの単独使用に比べ、より優れた効果が得られたとしている。具体的には、腫瘍の縮小効果は単独が二%、併用が一五%、一年以上生存率は単独三%、併用一八%、二年以上生存率は単独三%、併用九%となつている。
 そこで、次の事項について質問する。

一 レンチナンは、いわゆるガン化学療法の効果増強剤として認可されたが、これまでの免疫療法剤といわれるピシバニール(昭和五十年一月製造承認)、クレスチン(昭和五十一年八月製造承認)とどのような点が違うのか、具体的に明らかにされたい。
二 レンチナンの申請書によれば、抗ガン剤テガフールの単独の縮小効果は二%、また、一、二年以上生存率は三%となつている。ところで、かねて製造承認を申請中(昭和五十一年十一月申請)の免疫療法剤丸山ワクチン(SSM)の有効率は、中央薬事審議会の発表によると、単独使用の場合二・六%となつている。
  テガフールと丸山ワクチンの有効率はほぼ同じとみられるが、丸山ワクチンが製造承認されない理由はなにか、明らかにされたい。
三 中央薬事審議会が昭和五十七年二月に発表したピシバニールの腫瘍縮小効果の有効率は、単独で三四・六%、併用で三九・一%、さらに、クレスチンの有効率は単独で一二・五%、併用で三五・六%の高率を示している。しかし、これらの有効率については医療の現場で疑問視する声もあり、財団法人がん集学的治療研究財団(理事長梶谷鐶癌研付属病院長)が、昭和五十六、七年の二年がかりで患者の延命効果を調べる比較臨床試験を開始したことは周知の事実である。これらの比較臨床試験データは既にまとまつていると推測されるが、政府は、このデータを既に把握しているのか。把握していないのなら早急に入手し公表すべきと思うがどうか。
四 レンチナンの製造承認により、ガン新薬の審査、認可が早まるとの期待がもたれている丸山ワクチンは、有償治験薬という異例の形で患者に投与されているが、テガフール、レンチナンの有効率を考えると、これまでのデータで承認するに十分ではないか。
  仮にデータ不足といえども、既に過去のデータで腫瘍縮小効果が認められ、加えて延命効果があり、副作用がゼロであることを考えれば早急に承認すべきであると思うがどうか。

 右質問する。





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