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昭和六十年十二月十三日提出
質問第二二号

 防衛費のGNP一%枠に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和六十年十二月十三日

提出者  春日一幸

          衆議院議長 坂田道太 殿




防衛費のGNP一%枠に関する質問主意書


 昭和五十一年十一月、当時の三木内閣は、「当面の防衛力整備について」の閣議決定を行い、「防衛力整備の実施に当たつては、当面、各年度の防衛関係費の総額が当該年度の国民総生産の百分の一に相当する額を超えないことをめどとしてこれを行うものとする」との方針を決定した。
 この文章は、「当面」という言葉で「暫定性」を表し、「めど」という表現で「弾力性」を示しており、なお当時の坂田防衛庁長官は、「当面」とは「三、四年のことだ」と語つていたと伝えられるが、いつしかこの「一%枠」があたかも「絶対的なもの」のように扱われているようである。
 しかしながら、もともとGNPは変動するものであり、かつ、GNPと防衛費との間に常に一定の比例関係があるべきはずのものではないから、防衛費の歯どめとして両者間の比率を一定枠にとどめるということには、なんら理論的な根拠がないと考えられる。
 ついては、以下列記する各項目につき、政府の見解をできる限り明確に示されたい。

一 GNPについて
 1 GNPは一年間に生産された最終財及び最終サービスの市場価格を合計したものを指すとされるが、それは何を意味し、何に利用するために作成されるものであるか。
 2 GNPの推計は、どのような基礎統計や経済指標に基づき、どのようにして行われるのであるか。
 3 GNPの数字は経済実体を正確に反映するという正確性を要請されるが、推計の仕方如何により伸縮するものと思われるので、その推計精度はどのくらいであるか。
 4 各年末に発表される翌年度のGNPの数字は将来の見通しに過ぎず、経済(消費、投資、貿易)の情況により変動は避けられないから、年度終了後八ヵ月後に公表される確報や年度終了後二十ヵ月後に公表される確報改訂とは一致することがないのではないか。
 5 GNPの数字を推計する際の基準は五年に一回改定されているが、なぜ改定しなければならないのか。
 6 基準が改定されると、旧基準の数字は新基準の数字に計算し直すことになるが、過去何年間にわたつて上方修正あるいは下方修正することになるのか。
二 防衛費について
 1 専守防御を基本とする我が国の防衛力は、自衛のために必要な最小限度において整備されるべきであるが、そのために必要な防衛費は国際情勢、脅威の有無、軍事技術の水準等に応じて変化するものと考えるがどうか。
 2 毎年度の防衛費はその中味が大切であり、その総額は中味に応じて決定されるものと考えるがどうか。
 3 防衛費に対する歯どめとして、シビリアン・コントロールの諸制度を一層強化する必要があると考えるがどうか。
三 GNPと防衛費の関係について
 1 GNPは経済計画や経済政策の立案等のために作成されるものであり、防衛費は防衛政策によつて決定されるものであるから、両者の間にはなんら必然的な関係はないと考えるがどうか。
 2 GNPの数字は変動するものであるが、この変動する数字に対して何%という割合を定め、その範囲内で防衛力を整備するというのは、本末転倒と考えるがどうか。
 3 防衛費のGNPに対する割合が何%というのは結果的な数字として現われてくるべきものと考えるがどうか。

 右質問する。





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