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昭和六十年十二月二十六日提出
質問第一号

 ねたきり老人・障害者の歯科・保健医療対策の推進に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和六十年十二月二十六日

提出者  田中美智子

          衆議院議長 坂田道太 殿




ねたきり老人・障害者の歯科・保健医療対策の推進に関する質問主意書


 高齢化社会を迎えてねたきり老人や障害者・児の歯科・保健医療対策は、ますます重要となつている。
 ねたきり老人は、昭和五十九年四十七万八千人、そのうち在宅者が二十六万七千人、特別養護老人ホーム入居者十一万二千人である。ねたきり老人は、食べることが大きな楽しみのひとつであり、日常生活でも大きな比重を占めている。
 ところが、義歯のない人、壊れたまま使用している人、残根のままの人等、本人や家族が受診を希望しながら外来受診できず、放置されているのが実情である。
 これでは、病人が栄養をとつて回復したいと願つても十分かんで食べられないため栄養もとれない。それどころか、健康を害し病気を悪化させたりしている。
 一方、脳性マヒなどの身障者は、その身体的障害のため歯をみがくことに大きな困難を伴い、歯科疾患の発生が多いといわれる。
 ところが、こうした障害者の歯科診療に要する設備、スタッフなどが特別の体制を必要とすることから、対応する医療機関が少なく障害者・児、家族にとつて深刻な問題となつている。
 障害者の健康状態を改善していくうえで歯科保健は重要である。そこで、ねたきり老人・障害者・児の歯科・保健医療対策推進は、緊急を要すると考える。
 従つて、次の事項について政府の見解をただしたい。

一 政府は、ねたきり老人の歯科・口腔衛生について実態を調査したことがあるか。また、今後、対策を強化していくためにも具体的実態調査が必要であると考えるが、どうか。
二 老人保健の診療報酬に歯科・口腔疾患指導料が位置付けられているが、実態にみあつて大幅に引き上げるなどして、ねたきり老人に対する歯科医師、歯科衛生士の訪問診療が行いやすいようにすべきと考えるが、どうか。
三 名古屋市などでは、先駆的に、保健所の歯科衛生士がねたきり老人を訪問指導し、保健婦が協力するなど歯科医療機関との連携した歯科治療の取組みが始められている。
  こうした取組みを全国的に普及、奨励すべきと考えるが、どうか。
四 各種公的老人ホームでの歯科医療は、どのように行われているのか。特別養護老人ホームのねたきり老人の義歯調整・口腔衛生などはどのように治療されているか。
  また、老人ホーム設置基準に「歯科医師の配置」を義務付けることが重要と考えるが、どうか。
五 各都道府県に設置している百七十八ヵ所の口腔保健センター等には、障害者・児の歯科治療部門が全国で六十四施設と極めて不十分である。障害者・児歯科医療担当施設数を増やすことが求められている。来年度増設する具体的計画を明らかにすべきと考えるが、どうか。
  また、そのための人材確保等について具体的計画を検討すべきと考えるが、どうか。
六 政府は、障害者対策の一環としてすべての国立病院で障害者の歯科医療を実施するとともに、一部の自治体が実施している公立病院、民間病院や歯科開業医に対する障害者・児の歯科治療助成制度を国の責任で設けるべきと考えるが、どうか。
  また、診療報酬に特別加算制度を設けるべきと考えるが、どうか。

 右質問する。





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