衆議院

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昭和六十一年十月二十五日提出
質問第九号

 昭和四十三年法律第九十六号「理容師法及び美容師法の一部改正法」の執行に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和六十一年十月二十五日

提出者  高沢寅男

          衆議院議長 原 健三郎 殿




昭和四十三年法律第九十六号「理容師法及び美容師法の一部改正法」の執行に関する質問主意書


 昭和四十三年法律第九十六号「理容師法及び美容師法の一部改正法」は、第五十八回国会において議員立法によつて実現されたものである。その内容は、「理容師又は美容師である従業者の数が常時二人以上である理容所又は美容所の開設者は、理容師又は美容師の免許を受けた後三年以上理容又は美容の業務に従事し、かつ、厚生大臣の定める基準に従い都道府県知事が指定した講習会の課程を修了した者を管理者として当該理容所又は美容所ごとに置かなければならないものとし、これに違反したときは、都道府県知事は当該理容所又は美容所の閉鎖を命ずることができ、更に、右閉鎖命令に違反した者に対しては刑罰を科する」というものであつた。
 これに対し、理容師及び美容師の有志が、「管理理・美容師制度反対同盟全国連合会」を結成し、この改正法に反対の立場から、昭和四十五年三月二十日、東京地裁に、厚生大臣、都道府県知事、財団法人日本理美容師協会を相手どり、管理理・美容師設置義務不存在確認及び閉鎖命令禁止等を求める訴えを提起した。
 昭和五十四年七月二十日、東京地裁は、右訴えは、抽象的な法令の解釈ないし効力を争う訴訟であつて、具体的、現実的な権利義務にかかる紛争(すなわち、具体的な開設届不受理又は閉鎖命令とか、それに違反したことによる刑罰の発動など)の存在を前提としないものであるから争訟性に欠ける、との理由で本件訴えを棄却する判決を下した。
 これを不服とする原告は、昭和五十四年八月三日に東京高裁へ、昭和五十八年二月七日に最高裁へ、控訴、上告したが、東京高裁は昭和五十八年一月二十五日に、最高裁は昭和六十一年六月二十七日に、いずれも東京地裁と同じく本件訴えを棄却する判決を下した。
 昭和四十三年五月、管理理・美容師の設置を義務付けた法改正が行われて以来、その設置義務に従わずに理容所又は美容所を開設し又は経営している理・美容師に対し、今までに、閉鎖命令が出されたケースは全国で一件しかない。それも一週間後には撤回された。開設届の受理を拒否されたケースも一件もない。また、厚生省は各都道府県に対し、開設届の受理を拒否したり、閉鎖命令を出したりすることのないように指導しているのが実態である。
 この限りにおいては、裁判所の判断は妥当なものといわざるを得ないが、そうなるとますます、昭和四十三年法律第九十六号の、理容師法及び美容師法の一部改正法はいつたい何のための立法であつたかを疑わざるを得ない。過去十八年間の経過は、この立法が、我が国の理・美容事業の現実から大きく遊離したものであつたことを証明している。
 この法律の執行に当たる責任者たる政府(厚生省)は、管理理・美容師制度の改廃のために、速やかに具体的な対策をとるべきではないか。

 右質問する。



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