衆議院

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昭和六十一年十二月十三日提出
質問第二八号

 TBTO及び養殖魚に使用される化学物質に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和六十一年十二月十三日

提出者  藤田スミ

          衆議院議長 原 健三郎 殿




TBTO及び養殖魚に使用される化学物質に関する質問主意書


 魚網防汚剤TBTOについて、私は昭和五十七年以来農水委員会においてその安全性に問題があることを採り上げ、その使用の即時中止を求めてきたところである。
 しかしながら、その後もその使用実態は一向に変わらず、瀬戸内海のTBTOによる汚染はひどくなる一方であり、遂に養殖魚のみならず天然魚までがTBTOによる汚染を受ける状況にまで至り、消費者・国民に大きな不安を招いている。
 ここに至るまで、事態を放置した政府の責任は重大であるといわねばならない。
 従つて、次の事項について質問する。

一 TBTOは、昭和六十年十二月二十八日の通産省による「既存化学物質の微生物等による分解度及び魚介類の体内における濃縮度試験の結果について」で、もう既に使用が禁止されているDDTと同様に生物濃縮性が高いと判断される化学物質とされている。このような生物濃縮性が高い化学物質を直接海や河川で使用することは、環境及び国民の食生活の安全性上問題無いと考えているのか。その場合の根拠は何か。
二 政府は、TBTOの急性毒性、亜急性毒性、慢性毒性、遺伝毒性、発癌性、魚毒性、残留性についてそれぞれどのように評価しているのか。また、TBTOのそれぞれの毒性についての引き続いての調査は行つているのか。
三 厚生省は、TBTOの暫定ADIとして体重一キログラム当たり一・六マイクログラムを定めているが、これは世界的に認められているのか。また、TBTOについて、FAO=WHOで食品中の安全性評価及びADI基準の評価が行われているのか。世界的評価がなされていないとするなら、その理由は何か。
四 TBTOの代替化学物質があることはもう既に報道されているが、政府として代替を進める考えはないか。また、政府としてより安全性の高い代替化学物質の開発を進める考えはないか。
五 TBTOのずさんな取扱いによる漁民などの健康障害の心配が報道されている。政府として、漁民及びTBTO取扱い業者にTBTOによる健康障害について調査する考えはないか。
六 以上見たような様々な問題があるTBTOの使用はできるだけ速やかに中止すべきだが、政府は使用中止する考えはないか。ないとするなら、その根拠は何か。
七 現在、養殖魚に投与される抗生物質の投与基準は養殖魚に使われる抗生物質の八〇%しかなく、残りの二〇%については事実上野放しになつている。さらに、その基準を担保するための残留検査体制も年間予算四千万円(前年対比九〇%)一県当たり年間わずか百検体しか処理できず、そのうえ五十品目もある抗生物質のうち九品目しか検査できない状態になつている。これでは、抗生物質の大量投与を規制することは極めて困難であることは明らかである。政府として、すべての抗生物質に基準を作るとともに、検査体制予算の大幅増額による全品目の検査及び検査検体数の大幅引上げをすべきと思うがどうか。その考えがないとしたらその根拠を示せ。
八 本来流通させてはならない奇形養殖魚が市場に出回つており、本来焼却処理をしなければならない奇形養殖魚が海上及び陸上投棄されていることが報道されていたが、このような事態は、消費者に不安を招き、ひいては養殖魚全体の信頼性を損なうことになる。政府として、奇形養殖魚の市場流通を防止するための指導監督を強める考えはないか。また、焼却処分徹底の対策を示せ。
九 養殖漁業の経営が困難になつてきており、それがますます薬に頼る養殖漁業を推し進めている。政府として、養殖漁業の負債対策を抜本的に進める考えはないか。

 右質問する。



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