衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
昭和六十二年五月十二日提出
質問第三六号

 救急医療対策に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和六十二年五月十二日

提出者  草川昭三

          衆議院議長 原 健三郎 殿




救急医療対策に関する質問主意書


 私は、これまで、救急医療体制の充実について政府の対応を求めてきたが、現状には未だ多くの問題点がある。救急医療は、医療の原点であると言われているにもかかわらず、大学の医学教育の中では体系化されることなく欠落していると言わざるを得ない。近年、医学は専門・細分化されてきているが、救急医学教育の位置付けは極めて不明確である。国民一人一人の生命に深くかかわる救急医療体制を強化するためには、まず、大学医学部に専門講座を設けるべきであり、救急診療施設に救急診療専任の医師団を常駐させ、本来の専門診療科を超えて、救急診療科として救急患者の診療に従事させることが必要であるとの立場から、次の質問を行う。

一 救急医療に対する国立大学病院や、国・公立病院の協力が不足していると言われているが、二十四時間体制による受入れを行つている病院数とその受入れ実績数(救急車による搬入のみ)を過去五年間にわたつて、それぞれ明らかにされたい。
二 救急診療のみを目的として医師団を形成している国公立及び私立大学の附属病院は現在いくつあるか、明らかにされたい。
三 救急医療は、医学の原点であり、的確な救急医学の知識と技術が必要であるが、国公立及び私立大学の医学部における救急医学講座はいくつあるのか、明らかにされたい。
四 救急診療のみを目的として医師団を形成している大学の附属病院数と、救急医学講座を設置している大学の医学部数は、両者とも極めて少ないと言われるが、その理由は何か、それぞれ明らかにされたい。
五 国公立及び私立大学医学部における臨床医学全体の講座に占める救急医学の時間数及びその割合、また、臨床医学実習に占める救急医学の実習時間数及びその割合を、それぞれ明らかにされたい。
六 四及び五で言う講座、実習が、どのような教育陣によつてなされているか、教授、助教授、講師、助手それぞれの人数を具体的に明らかにされたい。
七 国立大学病院救急部の専任教官は、ほとんどの大学で一名の配置と聞いているが、その配置実態を明らかにされたい。また、その救急部教官にどのような業務を期待しているのか、併せて明らかにされたい。
八 救急医学講座が設置されている大阪大学医学部や一部の私立大学医学部と、前項でいう教官が一名だけの国立大学病院救急部とを比較すると、そこには、診療、教育、研究面で大きな差が生ずると思うがどうか。また、政府は、この格差を改善する意思があるかどうか見解を求める。
九 救急部門における特に重傷例の診療活動(救急専業医による診療は新しい診療形態であり既存のどの科の診療でもない)及び診療内容(既存診療科では処置困難な多発外傷・中毒・DOA患者・溺水等)に照らしてみると、標榜科目としての救急診療科が必要であると考えるが、当局の見解を求める。
十 現実に救急専業医の必要性が求められ、一部の大学附属病院では実際に専業医療活動が実施されているが、残念ながらこれはごく限られた存在である。このような現状に政府は、どのような見解を持つているのか明らかにされたい。また、専業救急医に対して、当局はどのような評価をしているのか、それぞれ明らかにされたい。

 右質問する。





経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.