衆議院

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昭和六十二年八月二十二日提出
質問第一八号

 危機に瀕する酪農家の乳価交渉に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和六十二年八月二十二日

提出者  草川昭三

          衆議院議長 原 健三郎 殿




危機に瀕する酪農家の乳価交渉に関する質問主意書


 私は、昭和六十二年七月二十二日、生乳取引の適正化に関し質問主意書を提出したが、昭和六十二年七月三十一日付の政府答弁書(内閣衆質一〇九第六号)は、酪農及び肉用牛生産の振興に関する法律(昭和二十九年法律第一八二号。以下「酪振法」という。)の精神に照らし、不十分なものといわざるを得ないので、重ねて政府の見解を質す。

一 右答弁書において政府は、全国生乳需給調整農業協同組合連合会(以下「全国生乳連」という。)から大手乳業メーカー三社に対して団体協約締結のための交渉申入れがなされたこと、右申入れに対して大手乳業メーカー三社からは交渉に応じられない旨電話で回答がなされたこと、以上の事実を承知していることを認めた。農水省はこのような事実を承知しながら、全国生乳連が酪振法十九条の三所定の農業協同組合連合会に該当しないとの解釈のもとに、一切の対応をなさないとすれば、酪農振興を図る立場にある監督官庁として怠慢のそしりを免れないものと考えるが、本当に一切の対応をなさなかつたものか、それとも何らかの対応をなしたのか、重ねて事実関係を明らかにされたい。
二 昭和六十二年四月に、四県における指定生乳生産者団体(以下「指定団体」という。)である県酪連が各県知事あてに団体協約締結について申出をしたが、この事実をどのように認識するのか見解を問う。
三 農水省は加工原料向け以外の飲用向け等の乳価につき、契約当事者間で適正な価格が形成されているとの認識を示した(昭和六十二年八月七日付、農林水産省畜産局牛乳乳製品課長名で全国生乳連会長にあてた「乳業者との団体協約締結に関する全国生乳需給調整農業協同組合連合会の要請について」による)。しかし実際には、本来あつてはならないはずの「用途無指定」なるいわゆる「その他向け」の低価格生乳割合が拡大し、酪農家の収入は減収している。更に本年に入つてメーカーから一方的に取引基準乳脂率の改定を押しつけられたことにより、酪農家の負担は一層増大している。このようにメーカーに対する酪農家の相対的地位は極めて低いにもかかわらず、契約当事者間で適正な価格が形成されているとした当局の態度は理解に苦しむ。いかなる根拠をもつてこのような認識を示したのか明らかにされたい。また、このようなメーカーと酪農家との関係をどのように認識しているのか併せて明らかにされたい。
四 農水省は、生乳取引契約の文書化については、現在では相当整備されているとの認識を示した(前出の昭和六十二年八月七日付、農林水産省畜産局牛乳乳製品課長名の文書による)が、大手乳業メーカー三社と指定団体との間で「期間別取引数量」、「用途別取引価格」、「乳質基準」等を明記した契約の文書化は全国で現在何件あるのか、数字を挙げ具体的に明らかにされたい。
五 農水省は、生乳取引契約の文書化は取引近代化の要諦である旨述べている(前出の昭和六十二年八月七日付、農林水産省畜産局牛乳乳製品課長名の文書による)。しかし、現実の契約文書化では、酪振法十八条で「(前略)生乳等の販売に関する契約については、当事者は、書面によりその存続期間、生乳等の売買価格及び数量、生乳等及びその代金の受渡の方法その他その契約並びにこれに附随する契約の内容を明らかにしなければならない」としているが、現状はその内容が盛り込まれていない例が多い。当局は、このような事実に対しどのような指導を行つているのか明らかにされたい。
六 全国生乳連は、農水大臣により昭和六十年四月に認可を得て発足した農業協同組合連合会であり、その主たる目的は、団体協約の締結にあることは承知されているはずである。従つて農業協同組合法(昭和二十二年法律第一三二号)に基づき成立した農業協同組合連合会として、その育成発展を図つていくのが政府の責任と考えるが、そのように解してよいか。全国生乳連に対する政府の見解をこの際明らかにされたい。

 右質問する。



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