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昭和六十二年九月七日提出
質問第二五号

 尾瀬分水反對に關する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和六十二年九月七日

提出者  滝沢幸助

          衆議院議長 原 健三郎 殿




尾瀬分水反對に關する質問主意書


 本來、自然的資源は、それぞれ其の地域に住む人々が、共有してその生存に利すべきものである。然るに文明人智の發達は、やゝもすればこの大自然の道理に逆行し、自然を破潰するの誤を犯して來た。この結果は、人類の破滅に至るであらふことは疑ふべくもないところである。
 ここに我國の都市構造と國土利用の現状は、首都圏など一部の都市が、人口の異常な過密による自然の缺乏を餘儀なくされてゐる一方、東北などの地域は滅亡的な人口の過疎を來してゐる。
 政府はこの程、第四次全國總合開發計畫を作定して、この病的現象の是正を圖るとしたが、その志は理解し得るところである。
 然しその一面には、その志に逆行する動きも少くなく、尾瀬沼の水を分流して首都圏の利用に供せんとする運動の如きも未だ終局してゐない。
 もしもかゝる暴擧が實現する時は、世界に誇るべき尾瀬の自然を破壞する虞れがあるのみならず、首都圏の人口過密を助長し、越州・會津などの過疎を一層深刻なものとすることは必定である。
 かゝることは四全總計畫に反するばかりでなく、天地自然の理法に反逆する非文明的蠻行である。
 この時政府が速かに尾瀬分水の如き愚昧の案を斥けることこそ、今日的國政の急務である。
 仍つて之につき質問する。

一 尾瀬分水は之を絶對に行はないことを明確に表明すべきである。仍つて關係地方住民の不安を一掃すべきである。所見如何。
二 首都圏の病的な人口集中を排除するため、官廳・學校・工場などの半強制的移轉をも含めた人口分散計畫を確立すべきである。所見如何。
三 首都圏の恒久的水利用計畫を策定すべきである。又、その爲の公共事業などを具體化すべきである。所見如何。
四 尾瀬の自然を保全し、その水資源確保のため萬全の計畫を速かに確立すべきである。所見如何。
五 尾瀬水系、ことに、只見川、阿賀野川等の流域の總合開發に力を注ぎ、公共的投資を大幅に擴大すべきである。之によつて、地域の健全な發展を期し、民心を安んじ、首都圏に流出してゐた人口の地方復歸を圖るべきである。所見如何。

 右質問する。





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