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昭和六十二年九月十日提出質問第三〇号
刑法第二百条(尊属殺)に関する質問主意書
右の質問主意書を提出する。
昭和六十二年九月十日
提出者 坂上富男
衆議院議長 原 健三郎 殿
刑法第二百条(尊属殺)に関する質問主意書
昭和四十八年四月四日最高裁判所大法廷は、刑法第二百条(尊属殺)は「自己又ハ配偶者ノ直系尊属ヲ殺シタル者ハ死刑又ハ無期懲役ニ処ス」とあつて、余りにも重く、酌量すべき情状があつても刑の執行を猶予することができないなど、普通殺人との間に著しく不合理な差別的取扱いをしている点において違憲であると判示した。
そこで現在の実務の運用としては、尊属殺があつた場合、この規定は適用されず、普通殺人の規定が適用されており、既に死文化したまま廃止削除もされず現存していることは不合理である。
かかるが故に、遠藤法務大臣は昭和六十二年八月二十一日法務委員会において、「昭和四十八年に憲法違反の指摘を受け年数的にも相当経過し、もう処理すべき時だ。(刑法二百条を)残すか残さぬかという決断をする時期にきた。」と決意を述べられた。
刑法第二百条(尊属殺)は廃止削除するべきものと思料する。そこで次の点について質問する。
二 廃止削除するとすればその時期と手続きを明確にされたい。
三 存続させるとすればその理由と必要性は何か。
右質問する。