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昭和六十二年九月十日提出
質問第三一号

 自動車ガラスの着色フィルム対策に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和六十二年九月十日

提出者  緒方克陽

          衆議院議長 原 健三郎 殿




自動車ガラスの着色フィルム対策に関する質問主意書


 昭和四十五年に死者一六、七六五人、負傷者九八一、〇九六人を生じてピークに達した交通事故は、交通安全対策基本法の制定を始めとする官民挙げての努力により、昭和五十四年には、死者八、四六六人まで抑止することができた。
 しかしながら、その後再び死者数が増加し、昭和六十一年には九、三一七人となり、昭和六十二年もほぼ前年と同じ推移をたどり、またも九、〇〇〇人の大台を越すのではないかという厳しい状況にある。これは、第四次交通安全基本計画にいう死者数を八、〇〇〇人以下に抑える目標にほど遠い実態である。
 このような現実を克服するためには、交通安全の確立に向けたあらゆる施策が、きめ細かく具体的に実行されなければならない。
 時あたかも、九月二十一日から秋の全国交通安全運動が始まるが、政府は、これを国民的な運動として盛り上げていかなければならない。
 ところで、この交通安全運動の目的に反し、交通事故の発生を招くおそれのある前面ガラス、運転者席側ガラスに着色フィルムを貼布した道路運送車両法違反の車が最近増大している。
 昭和六十二年七月、広島県警が県下の主要地点で行つたサンプル調査においても、検問車両六、四七九台中一、〇〇三台(一五・五%)が着色フィルムの貼布車両であつた。
 警察によると、着色フィルムに起因する事故の調査は行われていないということであるが、しかし、一五・五%もの違反車両が事故発生の可能性を全く有していないとは言えないのではないか。また、街頭における交通取締りや交通指導にも支障をきたしていることは、現場警察官の声としてもあがつてきている。
 最近では、特に歩行者が車の中が見えないために車と接触したという例や、横断歩道の通行時に運転者の視線が判らなくて困るとの声も高まつてきている。
 一方、この着色フィルムの購入先は、カー用品専門店が八〇%を占めているが、特にその製品の貼布方法の指導図が、運転者席側に貼布するようなものとなつており、違法行為をそそのかす原因ともなつている。
 このような状況をこのまま放置すれば、着色フィルムを貼布した違法車両は、今後ますます増加していくものと思われる。従つて、本問題への対策は、緊急を要するものと考える。
 次の事項について質問する。

一 道路運送車両法違反の着色フィルムの貼布車両の状況を、全国的に早急に把握する必要があると思うが、このことについてどう対処されるか明らかにされたい。
二 道路運送車両法違反の着色フィルムの貼布車両が年々増加しているが、この違反車両をなくすため、どのような方策を考えているのか明らかにされたい。
三 警察が検問を行う際、陸運支局等も立合いの上、整備不良車両として指導、取締りをもつと強化すべきと思うが、このことについての見解を明らかにされたい。
四 カー用品専門店、ガソリンスタンド、修理工場等に対し、着色フィルム貼布による道路運送車両法違反車両をなくすために、通達等により具体的な指導をすべきだと思うが、このことについての考え方を明らかにされたい。
五 着色フィルムの製造、販売が結果的に違反車両を増すことになつている。交通事故防止の観点から、この際、製造、販売を中止すべきだと思うがどうか。
六 道路運送車両の保安基準第二十九条は、運転者の視野の確保を目的として規定されていると思われるが、着色フィルム貼布車の増大により、運転者間の安全運転に、既に支障が出ていること、また、歩行者から車中が見えることによる安全確認、事故発生防止の観点から、第二十九条第三項の自動車の窓ガラスに、助手席の側面ガラスを追加するよう、保安基準を改正すべきだと考えられる。この点についての見解を明らかにされたい。

 右質問する。





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