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昭和六十三年五月二十五日提出
質問第三三号

 豪雪地帯の防災対策に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和六十三年五月二十五日

提出者  藤原房雄

          衆議院議長 原 健三郎 殿




豪雪地帯の防災対策に関する質問主意書


 国土庁の「昭和六十三年版防災白書」によると、六十一年度の自然災害による死者及び行方不明者は全国で七十人前後で、戦後最低であり、その理由として、大災害のなかつたことに加え、「国土保全事業と防災体制の充実によるところが大きい」と報告されている。
 しかし、前年の災害の少なかつたことは、当年も平穏ということにはならないばかりか、いつそう気の緩みを戒めるべきである。
 同白書でも「局地的に突然発生する土砂災害や雪崩などによる人的被害が目立つてきている」と述べている。いまだ土砂災害危険箇所の多いのも現実であり、特に、積雪寒冷地域における諸課題についても、積極的な対策を進めるべきである。
 従つて、次の事項について質問する。

一 豪雪地帯は、国土の約五十二パーセントを占め、第四次全国総合開発計画で示している、国土の均衡ある発展のために、人口と諸機能の分散を推進すべき地域でもある。しかし、毎年恒常的な雪害により、生活環境をはじめ、産業基盤の整備や日常生活条件等で他地域との格差が大きい。今後いつそうの克雪対策の充実を図り、地域の特性、潜在的発展力を生かした活力ある地域づくりを目指すべきである。そのためにも、去る三月二十七日に閣議決定した「豪雪地帯対策基本計画」の実施に当たり、その裏付けとなる財源の確保について積極的に措置すべきであると思うが、今後の対処を伺いたい。
二 毎年積雪に対する除排雪等の対策に莫大な経費を投じているが、雪対策設備を社会資本として整備する考えに立ち、多目的の克雪用水の確保や流雪溝等を積極的に推進すべきである。特に、地方自治体に対しては、それら施設に対し財政措置を大幅に講じ、早期の実現を図るべきであると考えるがどうか。
三 特別豪雪地帯の指定について、昭和五十八年以降、見直されていない。指定基準を緩和し、農山村の克雪対策を推進すべきであると考えるが、政府の見解はどうか。
四 地吹雪対策について
 1 局地的(山形県庄内地方、青森県津軽地方、北海道石狩、後志地方)ではあるが、近年交通量の増大に伴い、毎年同じ時季に、同じ場所で、同じ現象による交通事故の多発を繰り返している。科学技術庁はじめ、地吹雪に対する研究依託調査も進んでいると思うが、国は具体的な施策をどのように進めてきたのか伺いたい。
 2 地吹雪対策としての防雪柵について、種々の形式が研究されている。しかし、年間の進捗は限られ、特に地方道においては、対策も遅れ、事故も多い。地権者との問題等もあるが、積極的に緊急課題として取り組むべきであると思うがどうか。
五 雪害情報システムについて
 1 気象情報は、冬期活動の維持並びに被害の未然防止等のために重要である。特に積雪寒冷地においては、峠やトンネルを抜けると気候が急変していることが多い。局地的予測について、観測点をよりきめ細かく設置すべきであると考えるが、今後の対策について伺いたい。
 2 地吹雪については、今日までの研究で、風速と気温と降雪量によつて発生することは確認されている。定量的な研究は今後にまつとして、地吹雪の発生する条件に近づいたら気象業務として予報を報道すべきであり、発生している状況についても、報道すべきと思うがどうか。また、地域によつて実施しているところがあれば、報道している地域と報道の手順、内容等について伺いたい。
 3 道路情報については、道路交通の危険防止、異常気象時の通行規制等について、道路標識等、各種の情報で周知徹底を図るとともに、気象の急変する冬期間についてはカーラジオが有効と考える。特に、トンネル内においての非常用施設で、ラジオ再放送設備については重要である。昭和五十六年四月の道路トンネル非常用施設設置基準では、その延長一万メートル以上で、交通量が一日四千台以上に、原則として設置するとなつている。多額の経費を必要としない、重要な情報を提供するラジオ再放送設備について、国は交通量の増大する時代に即して、特に豪雪地帯に対してトンネル、覆道に対する設置の基準を大幅に改正して、設置を推進すべきと考えるがどうか。
六 克雪・利雪対策や、克雪用水を確保する方策等に関する研究など、産・学・官一体の総合的な調査、研究体制を確立すべきである。今後の積極的な取組みを伺いたい。

 右質問する。





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