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平成三年八月三十日提出
質問第三号

茨城県石岡市における世界のタマゴ博覧会開催をめぐる市の行政責任及び農協の不正融資事件に関する質問主意書

提出者  竹内 猛




茨城県石岡市における世界のタマゴ博覧会開催をめぐる市の行政責任及び農協の不正融資事件に関する質問主意書


 茨城県石岡市では、去る七月二日に久保田石岡農業協同組合長が、八月三日には石岡市の中島助役が相次いで自殺した。
 八月十七日には、石岡市議会の全員協議会が開かれ、八月二十三日に本件に関して真相を究明する等のため地方自治法第百条に基づく調査特別委員会が設置された。
 事件が起きてから既に二ヵ月を経過しているにも拘らず事件の真相は明らかとなっていない。
 石岡市の開発公社の理事長でもある山本吉藏市長は、この問題について常に責任回避的な態度を続けており、市民は、市の行政に強い不信と疑惑を抱いており、事件の真相の究明を強く求めている。第百条委員会の設置を決めたとはいえ、市議会に多数を占める市長派議員と警察のあいまいな態度に、市民は市政のみならず警察に対しても不信を抱き、事件の真相の究明を求める住民側の運動に発展する方向にある。
 私は、この問題は一自治体における問題であるとはいえ、国政に関する点も多いと考えられることから、ここに質問主意書を提出する。

一 石岡市は昨年二月に市の長期計画を決定しているが、その中には一行もこの世界のタマゴ博覧会の催しのことは触れていないのみならず、市の幹部も知らないうちに世界のタマゴ博覧会協会(会長 中村灘)との間に事業計画が合意され、協定書が交わされている。この博覧会は正常かつ必要な手続きの下に計画され、進められたかどうか明らかにされたい。
二 市が協定書を交わした世界のタマゴ博覧会協会は、法人登記もない任意の団体であり、これを財団法人公安文化協会(理事長 木村正一)が後援・支援して、各地でタマゴ博覧会を開いてきた経過があると聞いている。
 しかしながら、今回石岡市は、こうした短期間の博覧会にとどまらずに、博覧会終了後も市の全面的な協力の下に常設展示館を建設し、管理運営することを協定書第三条に明らかにしている。このように、重大な事項を含んだ協定書が、市議会等の議論も経ず、山本市長と実態のあいまいな団体との間で交わされていることは、極めて不自然であると考えるが、その経過等について明らかにされたい。
 更に、この公安文化協会について、監督官庁である総理府は、その目的、性格及び事業内容、予算、補助金等を明らかにするとともに、この世界のタマゴ博覧会は公安文化協会の目的・性格に沿うものでないと考えられるが、なぜ後援・支援をしているのか、その理由についても併せて説明されたい。
三 石岡市農協の定款によると、二千万円以上の融資は、理事会の承認を得る必要があり、また、地区内に住所を有しない員外の者への融資は行わないことになっているにも拘らず、平成三年五月中旬に同農協は、世界のタマゴ博覧会協会に二億二百万円を融資している。また、その債務保証として山本市長(公社理事長)が、中島助役(公社副理事長)の不可能であるという言葉を抑え、公社の理事会の承認もなしに、公社理事長名で債務保証に関する「確約書」を二通提出している。しかし農協組合長は、この「確約書」は自分の求めたものと違うとして、市長にだまされたと発言し、自らの責任を果たすため組合長は自分の土地を抵当にして県信連から借り入れ、肩代わりして農協に返済している。
 こうした問題は、首長職と開発公社の理事長が同一人であることにも起因していると思われるが、責任を明確にするためにも、兼務体制を見直す必要があるのではないか。
 また、組合長が県信連に提供した抵当物件についても不当評価ではないかとさえ言われている。この点についても農協の信頼性の確保のためにも十分な指導をすべきであると思うが見解を明らかにされたい。
四 組合長、協会、市の代表は、石岡市染谷地区の山林五ヘクタール(地主三十二人)の買収について、代金二億三千万円の契約を結んでいる。これは坪一万五千円程度になるが、更にこれとは別に六億円を地権者に支払うという「覚書」を交わしたことが明らかとなっている。
 これは、世界のタマゴ博覧会協会の名によって、石岡市の協力を求めて常設展示館を建設するとして、巧みに国土利用計画法を切り抜ける地上げを計画したと言われかねないが、これは国土利用計画法違反とならないかどうか、明らかにされたい。
五 私は八月十七日に石岡警察署長と会い、この一連の事案について警察の態度を聞いた。署長は「刑事問題になるようなことは…」と言葉を濁すのみで、自殺した二人の立場や今までの一連の市政に対して抱いている市民の気持を汲み取った態度とは到底考えられなかった。
 もし仮に、公安文化協会が警察のOBによって運営されている関係から、本件に関する捜査に手心を加えたとしたら、許しがたいと言わなければならない。警察庁は、市民に納得のいく捜査が行われるよう県警を督励する必要があると考えるが見解を示されたい。
六 自殺した二人は山本市長の最も身近にあって信頼して仕事を進めてきた人であるのに、市長は、道義的な責任は感じるが、行政的、法的な面においては関知しないと専ら二人の故人に責任をなすりつけている。遺族は、なんともやり切れない気持で一杯であるし、このような無責任な市長を持ったことに市民も呆れている。
 市民の間では、市政も警察も更には市議会も信じられないとの声が満ちているが、このことについて関係省庁はどう対応する考えか明らかにされたい。

 右質問する。





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