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平成三年十月四日提出
質問第一〇号

LD(学習障害)児問題に関する質問主意書

提出者  大野由利子




LD(学習障害)児問題に関する質問主意書


 LD(学習障害)児は、健常児と障害児の中間にあり、間(はざま)児とも言われている。普通学級では授業について行けず、特殊学級の学習だけでは物足りず、適切な教育が行われていない実情にある。現在、児童・生徒百人につき二、三人いるといわれほぼ一学級に一人くらいの割合となっている。
 子供たちは小学校低学年で勉強面でのつまずきから、落ちこぼれやいじめの対象になったりする。これらの子供たちを守り幸福へと導くことが教育の進歩であり、社会の進歩と考えるべきではないか。
 本年七月に「通級学級に関する調査研究協力者会議」がまとめた中間報告に、通級を正規の教育課程に位置付け制度化することをうたっているが、わが国にはLD児かどうか判定する明確な定義もなく、専門の教師もいないという実情で通級だけを設置しても果たして十分機能するか疑問である。
 そこで行政、教育、医療そしてLD児に対してキメ細かな理解と援助の手だてが望まれることから、以下の質問をする。

一 LD児の定義について政府のご見解を示されたい。
二 LD児数の正確な実態調査を実施すべきだと思うが、その計画と調査内容及び予算措置を明らかにされたい。
三 LD児の早期発見、早期治療体制の確立が急務と考えるが、その対策を具体的に予算措置も含めて示されたい。
四 LD児問題の相談窓口を公的機関に設置する考えはないか、伺いたい。
五 「通級学級に関する調査研究協力者会議」の中にLD児専門委員会を設置する考えはないか、伺いたい。
六 LD児の早期発見と適切な対応が望まれるがそのために、大学、短期大学の教職課程科目の中に、また保母養成課程科目の中に学習障害についての単位取得を義務づける必要があるのではないか。その導入時期とプログラムを示されたい。
七 現職教員に対して学習障害のガイドラインを示すようなテキストの作成や研修を行う計画がないのはなぜか、伺いたい。
八 高等学校への進学率が九四%を超える今日、高等学校へもLD児が入学しているものと考えられるが、その数、実態を掌握しておられるのかを明らかにされたい。
九 学校教育法第七五条各項に基づいた、高等学校に於ける特殊学級の設置数を明らかにされたい。
十 高等学校に通級学級制度を導入する計画はないか、伺いたい。
十一 通級学級制度化の早期策定が望まれるところから、政府のご決意を伺いたい。

 右質問する。





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