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平成三年十二月二十日提出
質問第七号

毒物及び劇物取締法に関する質問主意書

提出者  関 晴正




毒物及び劇物取締法に関する質問主意書


 化学物質が多種多様に製造され量的にも増大する今日、毒物劇物による危害防止のため保健衛生上の見地から取り締まることを目的とした毒物及び劇物取締法(以下「毒劇法」という。)の果たす役割は大きくなっている。毒劇法の適正な運用が国民の危害防止となることに鑑み、次の事項について質問する。

一 製造業に関して
 1 毒劇法施行令第三十六条の四に、「製剤の製造(製剤の小分けを含む。)」や「原体の小分けのみを行う製造業者」とあって小分けも製造になるようであるが、小分けとはどういう行為か。
 2 東京都の毒物又は劇物の製造の委託についての疑義照会に対する回答(昭和三六年一〇月一九日薬収第七五一号)で、「「販売又は授与の目的で製造する」とは「業として製造する」と同意義に解すべきである」となっているが、「業として」とはどういう意味か。
 3 同回答は続けて、「毒物又は劇物の小分け等の行為もそれが業とすると認められる場合であれば、毒物又は劇物の製造業の登録を必要とする。」となっているが、業とすると認められない場合はどんな場合か。
 4 東京都の毒物又は劇物の製造の委託についての疑義照会に対する結論として、同回答は「毒物又は劇物の製造を委託した側も受託した側も製造業の登録を必要とする」ということでよいか。
二 登録の必要性について
 1 日本原燃産業のウラン濃縮事業というのは、原料の天然六フッ化ウランを遠心分離器を用いて濃縮し、濃縮六フッ化ウランと劣化六フッ化ウランに分離する事業である。原料シリンダー一本(天然六フッ化ウラン約一二トン入)から、製品シリンダー一本(濃縮六フッ化ウラン約二トン入)と貯蔵シリンダー一本(劣化六フッ化ウラン約一〇トン入)ができる。原料の天然六フッ化ウランは電力会社が外国から輸入し所有するもので、日本原燃産業は電力会社の委託を受託して前述の濃縮事業を行う。
   この事業において、劣化六フッ化ウランを電力会社が日本原燃産業に販売又は授与する場合、六フッ化ウランの製造業、輸入業、販売業のどの登録が必要であるかについて、電力会社と日本原燃産業のそれぞれに必要な登録をすべて答えられたい。
 2 濃縮六フッ化ウランは再転換工場という工場に輸送され、電力会社の委託を再転換工場が受託して二酸化ウランに転換される。この再転換の過程で六フッ化ウランを形成していたフッ素は、フッ化水素の形で出てくる。つまり、再転換工場は毒物フッ化水素も製造する。
   このフッ化水素を電力会社が再転換工場に販売又は授与する場合、フッ化水素の製造業、輸入業、販売業のどの登録が必要であるかについて、電力会社と再転換工場のそれぞれに必要な登録をすべて答えられたい。
 3 前項のフッ化水素を再転換工場でなく、アメリカ合衆国のエネルギー省に販売又は授与する場合についても電力会社、再転換工場のそれぞれに必要な登録をすべて答えられたい。
三 違反発見時の措置について
 「毒物劇物監視要領」(昭和五〇年四月一日、薬発第三〇一号の別添)というものが制定されているが、その第四の三で無登録の製造業、輸入業に対しては「登録を受けるよう指導するなど違反状態を解消するための必要な措置を講じることとする」となっている。登録を受けるまでの間、製造中止、輸入中止、出荷中止、回収などの措置を採らないのであるか。
四 容器及び被包について
 1 毒物又は劇物の容器が収納され出荷から納品まで流通の間、毒物又は劇物と一緒に移動するコンテナは容器とみなされるか。
 2 濃縮六フッ化ウランが詰められる三〇Bシリンダーでは、シリンダー防護のためのオーバーパック(二一PF‐一)が付けられる。中が空洞の円柱を横に寝かせた状態で水平に二つに切った形のものを二枚貝を合わせるようにしてオーバーパックが三〇Bシリンダーを包んでいる。このオーバーパックは輸送中に(輸入の場合の海上輸送中、国内での陸上輸送中など輸送中はすべて)はずされることはない。つまり、出荷から納品まで三〇Bシリンダーにオーバーパックのついたまま工場内に搬入される。
   この場合、容器又は被包の範囲について、(イ)三〇Bシリンダー、オーバーパック共に容器、(ロ)三〇Bシリンダーは容器、オーバーパックは被包、(ハ)三〇Bシリンダーとオーバーパックが一体となって容器、のいずれとみなされるか。
五 表示について
 1 毒劇法施行令第四十条の三第二項によれば一回につき一、〇〇〇キログラム以上運搬する場合、容器又は被包の外部に毒物又は劇物の名称及び成分の表示が義務付けられている。この意味は一番外側の容器又は被包に表示が必要ということでよいか。
 2 前記四の2の場合の三〇Bシリンダーとオーバーパックに対する毒劇法第十二条による「医薬用外」と「劇物」の表示義務(第二十二条第五項で準用する場合を含む)について、(イ)三〇Bシリンダーの外壁に表示が必要、(ロ)オーバーパックの外壁に表示が必要、(ハ)三〇Bシリンダーとオーバーパックの両方の外壁に表示が必要、のいずれであるか。

 右質問する。





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