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平成四年十二月三日提出
質問第一〇号

代用監獄での長期勾留と冤罪の可能性に関する質問主意書

提出者  小森(注)邦




代用監獄での長期勾留と冤罪の可能性に関する質問主意書


 一九九一年四月二十三日に、東京高等裁判所刑事第十二部において出された、いわゆる松戸女性殺害事件に対する無罪判決は「代用監獄は、自白の強要等の行われる危険の多い制度であるので、その運用に当たっては、慎重な配慮が必要である。」とした上で、「本件の場合・・中略・・連続殺人事件について自白を得るため、代用監獄として、寂しい新設の印西警察署を選び、たった一人の状態で留置し、しかも、捜査本部の捜査員から看守者を選任して被告人の留置業務に当たらせ、被告人の留置場内の言動の逐一を捜査上の資料として提供させた上、取り調べを行ったのである。・・中略・・このような留置のあり方は不当なものであり、代用監獄に身柄を拘束して、自白を強要したとのそしりを免れない。」として「自白が任意になされたものでない疑いがあるといわざるをえない」と判示している。この判決は、代用監獄が冤罪を生む温床であることをきびしく戒めたものであるが、この判決は同月二十六日に確定した。

一 検察官が上告しなかったのは、代用監獄に対する前記判決の主旨を認めたということか。
二 この東京高等裁判所における判決は、警察の捜査のあり方をきびしく批判したものである。このような事態を再び繰り返さないために、代用監獄の使用にかかわって、どのような捜査方針を持っておられるかお伺いしたい。
三 狭山事件の捜査過程を見ると、石川一雄氏は、逮捕から自供にいたるまで、じつに一ヵ月間も代用監獄において取り調べを受けている。しかも、再逮捕後は、『有刺鉄線をめぐらして厳重にとざされた』(『朝日新聞』一九六三年六月十八日)川越警察署分室に取り調べ室を特設し、たった一人の状態で留置し、取り調べをおこなっている。起訴にいたるまでの身柄拘束はじつに四十八日間におよんでいる。前記東京高等裁判所刑事第十二部の判決に照らして、この事件においても『自白の任意性』に疑念を抱かざるをえないが、狭山事件にもその論理はあてはまらないのか。
四 国際人権B規約に基づく日本政府の国連に対する第三回報告では、日本においては、「逮捕・勾留を通じて、起訴前に、最長二十二日間ないし二十三日間の被疑者の身柄拘束が認められているが、法律の定めに従って勾留期間は厳格に運用されている」と報告している。しかし、狭山事件における逮捕・勾留の実態は四十八日間にもおよんでおり、これに明確に反していると考えられるがどうか。

 右質問する。





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