衆議院

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平成四年十二月十日提出
質問第二三号

プルトニウムに関する質問主意書

提出者  長谷百合子




プルトニウムに関する質問主意書


 フランスから日本へプルトニウムが輸送中であるが、そのプルトニウムが日本の使用済燃料を再処理して抽出したものではないという問題、また、日本国内におけるプルトニウムを代表とする核物質収支が不明瞭であるという問題に関し質問する。

一 現在、フランスから日本へ輸送中のプルトニウム量は、核分裂性プルトニウムで約一トンとのことであるが、八キログラムあれば原子爆弾一個作れる物質であるから、トン単位でなくキログラム単位で明確にする必要がある。よってプルトニウム量の詳細について伺う。
 1 当該プルトニウムについて、核分裂性プルトニウム量、全プルトニウム量、酸化プルトニウム量は、それぞれ何キログラムか。
 2 現在輸送中のプルトニウム容器の個数は、フランス核燃料公社(C0GEMA)によって、FS四七容器一三三個であると公表されたが、その通りであるか。
 3 一九九一年一一月一四日付、一九九二年五月二九日付、及び一九九二年九月一一日付の三つの容器承認申請書において、それぞれ容器は何個と申請されていたか。
二 再処理工場へ使用済燃料を運ぶキャスクには、どこの国のどの原子炉のものか表示されており、再処理工程においても、処理している使用済燃料がどこの国のどの原子炉のものか、当然はっきりしているはずである。これに関し、今回輸送中のプルトニウムについて伺う。
 1 当該プルトニウムの組成について、一九九二年一二月八日衆議院科学技術委員会で、プルトニウム二三八(一・二%)、二三九(六三・三%)、二四〇(二三・六%)、二四一(八・〇%)、二四二(三・九%)であるとの答弁があったが、一三三個のすべての容器のプルトニウムが同じ組成か。
 2 当該プルトニウムは東京電力株式会社、中部電力株式会社、関西電力株式会社、中国電力株式会社、四国電力株式会社、九州電力株式会社、日本原電株式会社の七社から動燃が買い取ったとのことである。当該プルトニウムを抽出したもとの使用済燃料について以下の@からCを明らかにしていただきたい。
  @ 七社のそれぞれどの原子炉(ユニット名)からの使用済燃料か。
  A それぞれの使用済燃料は、何年何月何日に取り出されたものか。
  B それぞれの使用済燃料は、燃焼度何MWD/tであったか。
  C それぞれの使用済燃料は、何トンであったか。
三 核物質管理という場合、当該核物質を第三者が隠匿したりすることはないと確認できなければならない。ところが、原子力白書あるいは原子力委員会月報等に公表されている「我が国における核物質保有一覧表」(以下、「保有量の表」という)及び「核燃料物質移動量」(以下、「移動量の図」という)では、わが国のプルトニウム収支等について不明瞭な点があるのでこれについて伺う。
 1 一九九〇年(一二月三一日現在)において、保有量の表ではプルトニウム量の合計は二六、七〇〇キログラムであるのに、移動量の図の各施設のプルトニウム在庫量の合計は、二六、六四八キログラムに過ぎず、五二キログラムものプルトニウムがどこにあるか不明である。この五二キログラムは、何という名称(固有の名称)の施設に、それぞれ何キログラム保有されているのか。
 2 同じく一九九〇年(一二月三一日現在)において、移動量の図のMOX燃料施設のプルトニウム在庫量は一、五九四キログラムとなっているが、前年末在庫一、一九二キログラム、搬入五一四キログラム、搬出一〇四キログラムで、在庫一、六〇二キログラムとなるはずのところより八キログラム少ない。この八キログラムは、何という名称の施設(固有の名称)にそれぞれ何キログラム移動したのか。
 3 プルトニウム燃料施設から「主要でない原子力施設」へ移送されたプルトニウム量は、一九九〇年において総量一・五キログラムとのことであるが、この一・五キログラムは前記2の八キログラムに含まれるのか。
 4 前記3の一・五キログラムには、ベルギー王国に輸出された〇・三キログラムが含まれているが、これについて伺う。
  @ 何のための輸出か。
  A 輸出とは、売却したという意味か。
四 現在輸送中のプルトニウム売買価格は、動燃と電気事業者の間で確定手続きを行っているところであるとのことだが、価格が決まっていないのに所有権は移ったというおかしな話になる。これについて伺う。
 1 動燃と電気事業者との間の確定手続きとはなにか。
 2 その確定手続きには、価格交渉が含まれているのか。
 3 現在輸送中のプルトニウムの所有権が、電気事業者から動燃に移転したのは何年何月何日か。
 4 所有権移転の日には、プルトニウムの価格は決まっていたか。決まっていた場合、各電気事業者の売却した核分裂性プルトニウムの量、各電気事業者の売却額は、それぞれいくらか。
五 現在輸送中のプルトニウムの輸送費用については、一九九二年一二月八日の衆議院科学技術委員会において、直接費用一二億円、設備費五一億円の予算が組まれている旨の原子力局長の答弁があった。一回の輸送に六三億円もかけることになり、海上保安庁の武装護衛船「しきしま」の建造費用と合わせると二六六億円にも達する。すでに、輸送船の改造費一四億円、輸送船のチャーター料一億六千万円(月当たり)、運送人への支払い七億円が明らかにされているが、内訳等で不明な点について伺う。
 1 直接費用一二億円について、その内訳を項目別に、予算計上額及び既支出額について明らかにしていただきたい。
 2 設備費五一億円について、その内訳を項目別に、予算計上額及び既支出額について明らかにしていただきたい。

 右質問する。





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