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平成五年八月十一日提出
質問第一号

東京佐川急便事件新潟ルート二億円に関する質問主意書

提出者  坂上富男




東京佐川急便事件新潟ルート二億円に関する質問主意書


 国民世論は政治改革の実現を求め、金権腐敗の解明と根絶を期待しているところであるが、依然としてその実態が明らかにされない。特に新潟県民は、東京佐川急便事件新潟ルートの二億円についてその真相解明を強く望んで期待しているところであり、真相は必ず解明されねばならないのである。
 そこで真相究明の第一弾として次の事項について質問する。

一 新潟日報平成五年七月二十四日付新聞報道によれば、「新潟地裁が去る六・七の両日行った渡邉廣康同社元社長への出張尋問の中で、同被告が『長谷川信元法相に二億円を渡した』と述べたことに対し、元法相の長男で会社社長、長谷川道郎氏=長岡市摂田屋二=が二億円は渡っていないと、検事総長あてに二億円ルートの徹底解明を求める上申書を郵送していた」「上申書で長谷川氏は @ 二億円が渡されたとされる平成元年五月二十四日について、午後一時半から同二時まで都内で面談、同六時から衆議院選立候補予定者パーティーに出席、新潟に二億円を搬入する時間的余裕がない A 二億円を仲介したとすれば金子陣営にとって最大の貢献者として、知事選の指揮系列の中枢にいたはずだが、その形跡はない B 次に新潟入りしたのは二十七日午後であり、選挙戦最終盤のなかで三日間も相当金額を手元に置くことは考えられない ― など六項目を明記している」とされている。
  右、上申書の主張は極めて信憑性の高いものと思われるが、検察当局は、右上申書を受理したのか。受理したとすれば、今後いかなる対応を採るか。
二 仮に渡邉廣康証言のとおりであるとすれば、この二億円はどのように政治的に使用されたものか明らかにされたい。
  この二億円が政治資金規正法による報告又は公職選挙法による選挙収支報告がなされているか。長谷川氏が政治的に使用しなかったとすれば、所得税法違反の疑いもある。この点について長谷川氏から所得として税法上の申告があったのか。申告がなかったとすれば国税当局はどのような対応をされるのか。
三 出張尋問で渡邉廣康は「二億は長谷川法相に渡し、翌日金子サイドからお礼の電話があった」と証言した。これは長谷川氏からさらに「金子サイド」という別の人物に渡ったことを裏付ける。捜査する上でお礼の電話を掛けた人物の割り出しがかぎになると思われるが、割り出しはするのか。捜査はどの程度進んでいるのか。
四 新潟の国会議員をはじめとして、多数の告発人が二億円問題について、政治資金規正法及び所得税法違反の容疑で告発しているが、この告発事件はどの程度捜査が進んでいるのか、その見通しについて問う。特に捜査上力点をおいている被疑事実と罪名についてお答え頂きたい。
  本年五月二十日、参議院地方行政委員会で大渕絹子議員の質問に法務省刑事局刑事課長は「指摘を踏まえて、視野におきつつ捜査している」旨の答弁をしたが、これはただの一般論の答弁なのか、捜査の本筋を答弁されたのか、回答されたい。
五 金子前知事らが問われている東京佐川急便事件新潟ルートの公判で、二億円は公訴事実からは外れている。なのに七月六・七日に東京地裁であった渡邉廣康の出張尋問で検察側は二億円について渡邉からかなり時間をかけて聴いている。これは新潟ルートの全容を解明するという観点から、解明の最大の足かせとなっている二億円の行方について「長谷川信首謀説」に検察自身も疑念を持っている表れではないのか。

 右質問する。





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