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平成七年十一月九日提出
質問第一〇号

部落解放基本法制定に関する質問主意書

提出者  小森(注)邦




部落解放基本法制定に関する質問主意書


 同和問題の「早急な解決こそ国の責務であり、同時に国民的課題」とした同和対策審議会答申(以下「同対審」答申)が出されて三十年。「同対審」答申を受けて特別立法が制定され、今日まで各種諸施策がおこなわれてきたところであるが、いまだ部落差別の根絶に至っていないのが現状である。
 とりわけ、就労、教育、生活、健康などにおける歴然とした格差、根強い結婚差別の実態、相次ぐ悪質な差別事件、さらには放置されたままの一千地区にも及ぶ未指定、事業未実施地区の存在などを考えるとき、総合的、抜本的に部落問題を解決する部落解放基本法の制定が急がれねばならない。以上のような観点から、次の点について質問する。

一 一九九三年に総務庁がおこなった同和地区実態調査の結果によれば、部落の教育実態(最終学歴)において高校修了者三二・三%(国勢調査四五・四%)、大学修了者七・六%(同二一・二%)の厳しい格差があり、「同対審」答申が「近代社会における部落差別とは、ひとくちに言えば、市民的権利、自由の侵害にほかならない ― 略 ― これらの市民的権利と自由のうち、職業選択の自由、すなわち就職の機会均等が完全に保障されていないことが特に重大である」と指摘した就労の分野では「有業者の年収額」年収二九九万円までが部落五八・二%(就業構造基本調査三八・三%)、逆に四〇〇万円以上は部落二三・七%(同四一・一%)と厳然とした実態的差別が存在し「有業者の勤め先の企業規模」についても、中小、零細企業への割合が高いことが明らかになっている。このような歴然とした差別実態について、政府は格差の完全解消に向けてどのような方策をもっておられるか、見解を明らかにされたい。
二 本年六月九日に出された「同和地区実態把握等調査結果の評価と今後の課題について」の山口鶴男総務庁長官(当時)談話は同和問題に関する国民の差別意識や人権侵害の存在を認めた上で「今後、地域改善対策協議会において、今回の調査結果を踏まえ、法的措置、行財政措置等の各種施策の基本的な在り方について更に検討を…」と述べられており、これは従来の「一般対策への移行」にとらわれることなく法的措置の必要性も視野に入れたものと解されるが政府の見解は。
三 六月九日の総務庁長官談話、与党・人権と差別に関するプロジェクト中間意見(六月一六日)をうけて、部落解放基本法制定を求める民間運動団体は「法的措置、行財政措置の必要性を政府・与党が実質的に認め、『法打ち切り、一般対策への移行』を転換させた」との評価を内外に明らかにしている。部落解放基本法制定国民運動は、民間運動団体はもとより、企業、宗教、学者、文化人、自治体関係者など、幅広い人々の結集による運動であり、「法的措置」に対し大きな期待をよせていることは言うまでもない。この問題をめぐる民間運動団体の評価と政府の考えが齟齬をきたすものでないと理解してよろしいか。今日の段階における、政府の統一した見解をお尋ねしたい。

 右質問する。



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