衆議院

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平成八年三月五日提出
質問第六号

入院医療に関する質問主意書

提出者  岩佐恵美




入院医療に関する質問主意書


 高齢社会の進行で、介護に対する国民の要求はますます切実なものとなっており、質の高い介護対策を行うことは、緊急の課題となっている。
 しかし、一九九四年の健康保険法等の「改正」により、原則として一九九五年度末までに、付添看護を廃止することとされた結果、入院医療の現場では「要介護者が入院できない」状況が広がっている。
 厚生省は、付添看護廃止に当たって、「患者が付添婦を雇わざるを得ないという状態を解消し、重い保険外負担を解消するとともに、病院の責任の下に病院のスタッフによって必要な看護・介護サービスが提供できる体制を確立しようとするもの」と説明していた。ところが、患者・国民からは、国公立等の基準看護(新看護)病院でも、「家族への付き添いの強要が行われ、それがヤミ付き添いにつながっている」などの指摘がされている。
 一方、医療機関からは、「必要な看護・介護サービスを提供しようと思っても人手を集められず、病床を廃止するか、要介護者を断るか、家族に付き添いをお願いするかしか選択肢がない」との声が寄せられている。こうした状況を放置しておけば、入院医療の確保が困難となり、患者や家族に大きな影響がもたらされることが予想される。
 従って、次の事項について質問する。

一 厚生省がまとめた看護職員の需給見通しでも需給バランスがとれるのは平成十二年である。衆議院厚生委員会でも要求してきたが、少なくとも平成十二年までは、付添看護廃止の経過措置を延長するべきではないか。
二 基準看護病院や新看護病院でも、「家族付き添いの強要」が行われたり、「要介護者が入院できない」との指摘がある。厚生省は、「その際は、個別ケースごとに状況を確認し、積極的に指導を行う」としているが、この原因は、看護職員不足と、看護体制の低さにある。従って、看護職員の公的養成を強め、看護職員不足を早急に解決した上で、二対一の看護職員体制を医療法標準とし、一対一以上の看護職員体制を診療報酬上で認めるようにするべきではないか。
三 付添看護廃止に伴う点数として、「特別介護料」や「特別看護料」が設定されているが、これらの点数を算定できる医療機関は、「その他看護病院」や「三種(II)看護料の診療所」に限られており、対象患者数にも制限がある。「家族付き添いの強要」や、「要介護者が入院できない」状況を早急に解決するためには、「特別介護料」や「特別看護料」の制限をなくし、人件費に見合って点数を引き上げ、全ての入院医療機関で算定できるようにすべきではないか。
四 現行の看護料・看護補助料は、看護職員の人件費にも満たない。従って、看護職員の給与等の改善を図り、看護職員の安定的確保を図るために、全ての病院の看護料・看護補助料を人件費が支払えるよう引き上げるべきではないか。
五 地方においては、看護職員がほとんどいない地域もある。こうした地域で付添看護を廃止すれば、入院医療の確保が困難になることが予想される。少なくとも、へき地等においては特別の措置が必要ではないか。
六 老人の追い出しや、たらい回しの原因は、長く入院すればするほど、一日あたりの医療費が減額(入院時医学管理料の逓減)されることにもある。従って、入院時医学管理料の逓減制をやめ、老人と若人の入院時医学管理料の格差を是正すべきではないか。
七 一月十三日付朝日新聞に、岡光保険局長が、「(診療報酬を)上げても奥さんの毛皮などに化ける病院もある」と発言し、その後日本医師会に対して陳謝したと報道されている。国民医療のために、日夜奮闘している医師・医療従事者の努力を、無視したとも思える保険局長の発言について、どのように考えるのか、明らかにされたい。

 右質問する。



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